2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實松 敬介 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70567502)
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Keywords | 味覚 / 甘味受容体 / 味覚修飾物質 / グルマリン / ギムネマ酸 |
Research Abstract |
生活習慣病やそのリスクファクターである肥満は、我々の甘味に対する強い嗜好性と食生活の乱れが主な要因であると考えられている。生体恒常性の破綻は、生活習慣病に繋がる可能性があり、甘味受容機構の解明により生活習慣病や肥満の予防、治療に役立つ味覚修飾物質の発見や、創薬につながる可能性が考えられる。その基礎として、甘味受容体T1r2/T1r3と基質との結合特性を解明することが現在緊急課題となっている。そこで本研究では、甘味受容体T1r2/T1r3と甘味抑制物質であるギムネマ酸(GA)とグルマリン(Gur)に関し、甘味受容体再構築系を用いてその相互作用の解明を目指した。本研究では、ヒトT1rs、マウスT1rsのホモロジーモデリングを行い、ドッキングシュミレーション解析により、ギムネマ酸、グルマリンのT1rsへの結合モデルの作成を行った。その結果、ギムネマ酸がヒトT1r3の膜貫通領域に結合し、グルマリンがマウスT1r3のアミノ末端領域に作用している候補モデルを得た。またグルマリンはマウスT1r2のアミノ末端領域にも作用する候補モデルも得た。カルシウムイメージングによる解析により、ギムネマ酸がヒトT1r3の膜貫通領域、グルマリンがマウスT1r3のアミノ末端領域に作用する結果を得て、シミュレーションの結果の妥当性が確かめられた。さらにギムネマ酸は、ヒト甘味抑制物質であるラクチゾールと結合サイトを共有するが、ギムネマ酸の感受性だけに重要なアミノ酸残基を同定した。グルマリンに関しては、各系統のマウスT1r2/3の応答解析を行い、系統差を生じる変異を同定した。
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Research Products
(8 results)