2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホロカルボキシラーゼ合成酵素を介したビオチンによる炎症制御機構の解明
Project/Area Number |
23792140
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒石 智誠 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30400261)
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Keywords | ビオチン / マクロファージ / 炎症制御 |
Research Abstract |
昨年度に作製したHCS-KDマクロファージについて限界希釈法によりクローニングを行い、HCS-KDマクロファージクローン株である#15-6およびコントロール(薬剤耐性能は保持しているが、HCS遺伝子はノックダウンされていない)株である#16-4を樹立した。そこで、HCS-KD #15-6およびコントロール #16-4についてLPS刺激によるTNFα産生能を解析した。しかしながら、両細胞株間でTNFα産生量に有意な差は認められなかった。これは、本研究で作製したHCS欠損はヘテロであり、正常なHCS遺伝子を1コピー保持しているため、HCS欠損による効果が減弱されたためであると考えられる。 そこで、他の生理活性や細胞の性状に対してビオチン欠乏・HCS欠損が及ぼす影響を解析した。本研究で用いたJ774マウスマクロファージ様細胞株は細胞表面にCD11b分子を発現している。ビオチン充足培地で培養した場合、その発現は2相性を示し約10%がCD11bを中程度に発現し、残りの90%はCD11bを強発現している。しかしながら、HCS-KDおよびコントロールのいずれにおいても、ビオチン欠乏培地で培養することによりCD11bを中程度に発現している細胞は見られなくなった。CD11bは代表的なマクロファージマーカーであるとともに、細胞の付着性に関与する分子である。ビオチン欠乏に伴うCD11b発現の変化とその生理学的意義について、引き続き解析を継続している。
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Research Products
(9 results)