2011 Fiscal Year Research-status Report
セツキシマブを用いた口腔癌に対する免疫学的治療法の開発
Project/Area Number |
23792148
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今井 優樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30440936)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 免疫療法 |
Research Abstract |
抗腫瘍活性を示すヒト型モノクローナル抗体セツキシマブを感作した口腔癌細胞に対して抗腫瘍免疫応答を増強することができると考えられる新規遺伝子組み換え抗体CR2-Fcを遺伝子工学技術により作製することを試みた。まず、ヒトCR2のN末端側の4つのSCRとヒトIgG1の定常領域配列を人工的につなぐため、ヒトIgG1定常領域発現ベクターへ組み込むための酵素部位を含んだプライマーを設定した後、pBM-CR2をテンプレートとしてPCRを行った。得られたPCR産物をクローニングベクターに組み込み、配列を確認した後、ヒトCR2を酵素により切り出し、ヒトIgG1定常領域発現ベクターと共にライゲーションを行うことにより、ヒトCR2-Fc発現ベクターを構築した。次に、ヒトCR2-Fc発現ベクターが転写・翻訳されてタンパク質を発現するかどうかを確認するため、COS7細胞に遺伝子導入した後、培養上清と細胞を回収し、ウエスタンブロットにより確認したところ、抗CR2抗体、抗ヒトIgG抗体共に予想される分子量を示した。さらに、恒久的にヒトCR2-Fcを発現させるため、CHO細胞に遺伝子導入後、クローニングを行い、ウエスタンブロッティング法で高発現CHO細胞のスクリーニングを行うことによりヒトCR2-Fc安定発現CHO細胞を作製した。しかしながら、十分量のヒトCR2-Fcを得るためにはより発現量の高い発現システムを構築した方が良いと考え、より強い発現ベクターに組み換えることを検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定ではCR2-Fc作製が2年目となっていたが、遺伝子組み換えした後タンパクを大量発現及び精製という実験には多くの時間を要するため、こちらを前倒しして実験を行った。これによって時間のかからない活性測定等を2年目にでき、計画通りに実験を終えることができると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
1年目と2年目の計画が変更したが、EGFRへのEGFの結合を阻害することで抗腫瘍活性を示すヒト型モノクローナル抗体セツキシマブが口腔癌細胞に対して抗腫瘍免疫応答を誘導できるかどうかを、in vitro、in vivoの両方の実験系を用いて検討する。また、作製したヒトCR2-Fcとの相乗効果もあわせて検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究を進めるにあたり、遺伝子組み換えタンパク質発現ベクターを遺伝子導入した細胞をストックするために必要な液体窒素タンク及び作製した遺伝子組み換え蛋白質を保存しておく小型超低温フリーザーを購入予定である。消耗品費については、活性測定、動物実験、組み換えタンパク質を大量精製等の費用が必要となる。国内旅費は年1回免疫学関連の主要な学会で研究発表を行うための経費、外国旅費は、研究協力者との研究打ち合わせのために必要であると考える。また、研究成果を公表するべく、論文の作成や投稿を積極的かつ効率よく進めるため、複写費及び論文投稿費をその他の費用として計上した。
|
-
-
[Journal Article] Increased levels of cytokines and high-mobility group box 1 are associated with the development of severe pneumonia, but not acute encephalopathy, in 2009 H1N1 influenza-infected children.2011
Author(s)
Ito Y, Torii Y, Ohta R, Imai M, Hara S, Kawano Y, Matsubayashi T, Inui A, Yoshikawa T, Nishimura N, Ozaki T, Morishima T, Kimura H
-
Journal Title
Cytokine
Volume: 56
Pages: 180-187
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Presentation] 急性腹膜障害に対するC5a の関与とC5a 阻害薬の有用性2011
Author(s)
水野智博, 水野正司, 櫛田真由, 野田幸裕, 山田清文, 今井優樹, 岡田秀親, 岡田則子, 丸山彰一, 松尾清一, 伊藤恭彦
Organizer
第4 8 回補体シンポジウム
Place of Presentation
名古屋市立大学(愛知県)
Year and Date
2011年9月2~3日
-
-
-