2012 Fiscal Year Research-status Report
セツキシマブを用いた口腔癌に対する免疫学的治療法の開発
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23792148
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今井 優樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30440936)
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Keywords | 口腔癌 / 抗体 |
Research Abstract |
遺伝子工学技術により、不活性型の補体成分iC3b及びC3dと結合するヒトCR2と、ヒトIgG1抗体のFc部分を融合した新規遺伝子組み換え抗体CR2-Fcを発現するベクターを構築し、ヒトCR2-Fc産生CHO細胞を培養し、培養上清を回収後、プロテインAカラムにてヒトCR2-Fcを精製した。しかしながら、培養上清中のヒトCR2-Fc量はそれほど多くなく、in vivoの実験に使用する量を得るためにはさらなる改良が必要であった。そこで、十分量のヒトCR2-Fcを得るためにはより発現量の高い発現システムを構築した方が良いと考え、より強い発現が予想され、薬剤選択の異なる発現ベクターに組み換えた。この発現ベクターがヒトCR2-Fcを発現できるかどうかを、COS7細胞に遺伝子導入し、3日後の培養上清を回収し、培養上清をWestern Blotで確認した。2種の環状ベクタークローン及びリニアライズした発現ベクターを導入したものは目的の分子量にバンドが確認できた。この発現ベクターを以前作製したCR2-Fc産生CHO細胞に遺伝子導入を試みる予定である。 一方、セツキシマブが口腔ガン細胞株HSC4細胞及びHSC3細胞に結合することができるかどうかをフローサイトメータで調べたところ、HSC4細胞及びHSC3細胞ともに非常に強いシフトが検出され、HSC4細胞及びHSC3細胞はEGFRを高発現していることが確認された。次にセツキシマブが補体活性可能を持つかどうかをC3の沈着量を測定することで決定した。その結果、わずかではあるが、セツキシマブを感作させたサンプルの方がPBSコントロールと比較して補体活性可能が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子工学技術により、不活性型の補体成分iC3b及びC3dと結合するヒトCR2と、ヒトIgG1抗体のFc部分を融合した新規遺伝子組み換え抗体CR2-Fcを発現するベクターを構築し、ヒトCR2-Fc産生CHO細胞を作製した。培養上清を回収後、プロテインAカラムにてヒトCR2-Fcを精製した。しかしながら、培養上清中のヒトCR2-Fc量はそれほど多くなく、in vivoの実験に使用する量を得るためにはさらなる改良が必要となった。また、セツキシマブの入手が遅れ、動物実験まで進むことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに作製したヒトCR2-Fc発現ベクターを以前作製したCR2-Fc産生CHO細胞に遺伝子導入し、CR2-Fcの大量精製を行う。また、ヒト型モノクローナル抗体セツキシマブが口腔癌細胞に対して抗腫瘍免疫応答を誘導できるかどうかを、in vivoの実験系を用いて検討する。さらに、作製したヒトCR2-Fcとの相乗効果もあわせて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に大量精製できなかった、ヒトCR2-Fcの大量精製を試みる。新たに作製するCR2Fc高発現ベクターをCR2-Fc産生CHO細胞に遺伝子導入し、高発現クローンを決定後、大量に培養した後、rProteinAカラムで精製する。 次にセツキシマブの抗腫瘍免疫応答を動物実験にて検討する。これは、今年度セツキシマブの入手が遅れたため、動物実験まで行うことができなかったためである。 それ故、CR2-Fcの大量精製及びセツキシマブの抗腫瘍免疫応答を動物実験にて検討するため、実験用動物などに200,000円、薬品培地などに120,000円を使用する計画である。
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