2012 Fiscal Year Annual Research Report
拡散強調MRイメージングによる舌癌リンパ節転移予測プロジェクト
Project/Area Number |
23792152
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
坂本 潤一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (40506896)
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Keywords | 画像診断 / 癌 / 臨床 / 拡散現象 / 灌流現象 |
Research Abstract |
拡散強調MR画像における信号強度はSIb/SI0 = (1-f)×exp(-bD) +f×exp{-b(D*+ D)} [真の拡散係数(D)、灌流現象の割合(f)、偽の拡散係数(D*)]と表現される。近年、MR機器の性能向上により、生体における拡散現象と灌流現象を分離して評価すること(IVIM解析)が可能となった。これにより、拡散現象および灌流現象の両者を含む見かけの拡散係数(ADC値)単独のファクターよる評価から複数のファクターによる組織の評価が可能となる。本研究では舌癌原発巣の拡散・灌流現象とリンパ節転移との関連性について傾向をつかむことを目的とし、以下の実績を得た。 拡散・灌流MRファントムに送り込む送液流量を変化させ、拡散強調MR画像を撮像し、IVIM解析を行った。送液流量の増加は灌流現象(f, D*)の変化として捉えられたが、拡散現象(D)にも変化がみられた。 拡散強調MR画像の頭頸部腫瘤性病変の良悪性鑑別に対する有用性についてレトロスペクティブに分析した。平成23年度では最終診断が得られた44患者46病変を対象とし、ADC値を撮像に用いる反転傾斜磁場の強さを変えた3種類の算出法で算出し、比較した。いずれにおいても、およそ80~90%の正診率で悪性腫瘍を正しく診断できるという結果を得た。平成24年度では最終診断が得られた33患者33病変を対象とし、IVIM解析を行い、ADC値との比較も行った。D, D*およびD*/Dについて悪性腫瘍と良性腫瘍との間に有意差が認められ、IVIM解析は良悪性鑑別に有用であると考えられた。また、ADC値とIVIM解析の組み合わせにより良悪性鑑別の診断能が向上する可能性があるという結果を得た。 今後は舌癌におけるリンパ節転移と原発巣との関連性について評価する予定である。
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Research Products
(3 results)