2011 Fiscal Year Research-status Report
マイクロCTによる光重合型コンポジットレジンの重合収縮挙動の観察
Project/Area Number |
23792164
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
趙 永哲 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50431929)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | コンポジットレジン / 重合収縮 / マイクロCT |
Research Abstract |
我々はコンポジットレジンが重合する際起こる、重合収縮に伴う変形(流れ)を観察する為に、特別に製作した試作コンポジットレジン(直径30μmのマーカーとなるフィラーを含有したユニバーサルタイプのコンポジットレジン)の重合前、重合後のマーカーフィラーの位置をマイクロCTによって撮影し、解析専用ソフトによって移動量を測定する方法を開発した。これにより世界で初めてユニバーサルタイプのコンポジットレジンの重合収縮挙動の観察と視覚化に成功した(Evaluation of resin composite polymerization by three dimensional micro-CT imaging and nanoindentation. Cho E, Sadr A, Inai N, Tagami J. Dent Mater. 2011 Nov;27(11):1070-8. Epub 2011 Aug 5)。 この方法は非破壊で重合収縮挙動を、三次元かつ正確に計測できる画期的方法である。また今回フロアブルタイプの試作コンポジットレジンの開発を行い、マイクロCTによる撮影と専用ソフトを使った解析を行った。その結果フロアブルタイプとユニバーサルタイプのコンポジットレジンでは、異なった重合収縮挙動が観察され粘調度の異なるコンポジットレジンを使い分ける上で、臨床上重要な知見を得られる可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロCTを使って重合収縮によるコンポジットレジンの流れと変形を観察する方法を確立することに成功し、その結果を学術論文(Evaluation of resin composite polymerization by three dimensional micro-CT imaging and nanoindentation. Cho E, Sadr A, Inai N, Tagami J. Dent Mater. 2011 Nov;27(11):1070-8. Epub 2011 Aug 5)に掲載した。
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Strategy for Future Research Activity |
光重合型コンポジットレジンの重合収縮において著名な研究者である、オレゴン健康科学大学のジャック・フェラケーン教授を共同研究者として招き、実験に用いる試験用コンポジットレジンを共同で製作し、コンポジットレジンの組成を変更することによって光重合型コンポジットレジンが組成の変化によってどのような挙動の変化を示すか、マイクロCTによる重合収縮の観察と物性試験を行い、比較検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
オレゴン健康科学大学のジャックフェラケーン教授と実験の打ち合わせを行い、どのような組成(レジンマトリックス、フィラー充填率、重合開始剤等)が重合収縮挙動に影響があるかを検証する為、様々な試作コンポジットレジンの製作を行い、マイクロCTによる撮影、専用ソフトによる解析を行う。その実験用コンポジットレジンの材料の購入と、画像解析に研究費を使用する予定である。
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