2012 Fiscal Year Research-status Report
マイクロCTによる光重合型コンポジットレジンの重合収縮挙動の観察
Project/Area Number |
23792164
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
趙 永哲 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50431929)
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Keywords | コンポジットレジン / 重合収縮 / マイクロCT |
Research Abstract |
前年度までにマイクロCTを使用して、光重合型コンポジットレジンにマーカーとなる特殊フィラーを混ぜ合わせ、その特殊フィラーを専用ソフトを使って三次元的に分析することにより、光重合型コンポジットレジンの重合収縮挙動を視覚的かつ客観的に解析することが可能となった。 この方法によりユニバーサル型のコンポジットレジンを、十分深い1級窩洞に充填し光照射を行った場合、重合はコンポジットレジンの表層より1㎜下へ向かって収縮することが判った。これらの実験結果を元に、ユニバーサル型コンポジットレジンとフロアブル型コンポジットレジンの重合収縮挙動を比較したパイロット試験を行った。その結果、重合収縮の傾向に大きな差異があることが判明した。 この研究の共同研究者であるジャック・フェラケーン教授(オレゴン健康科学大学歯学部歯科理工学)のアドバイスにより、異なった粘性のコンポジットレジンを製作し、マイクロCTによる観察を行うこととなった。粘性の調整はフィラー含有量を調整(68%、70%、72%、74%、76%)することにより行った。 マイクロCTでの重合収縮挙動の観察を行う前に、これらフィラー含有量の異なるコンポジットレジンの重合収縮量を、Dilatometerを用いて評価を行った。フィラー含有量68%のコンポジットレジンの2.9%から、フィラー含有量76%の2.53%へとほぼ比例して減少しており、重合収縮量はフィラー含有量に比例変化していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
修復技法(積層充填法、低粘性レジンを用いたライニングテクニック)と光照射方法の違い(高出力照射器、2段階照射法)の検討に入る前に、光重合型コンポジットレジンの粘性の違いによる重合収縮挙動の違いを明らかにすることが必要となった為、当初の目的は未だ達成されていないが、粘性による重合収縮挙動の違いを明らかにすることは、臨床上大変有益な情報を得ると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
粘性の異なる光重合型コンポジットレジンの重合収縮挙動の観察をマイクロCTで行い、専用ソフトを用いて解析し、先に行った実験結果を基に比較考察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロCTを使って得られたデータを、専門のソフトウェア会社に有料にて解析を委託する。
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