2011 Fiscal Year Research-status Report
成体由来細胞を用いてのエナメル芽細胞樹立と歯胚再生法の確立
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23792176
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
鈴木 茂樹 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30549762)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | 口腔粘膜上皮 |
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| Research Abstract |
本研究は、う蝕除去後等の修復処置部位に、エナメル質と象牙質を再生させたり、歯芽欠損部への歯芽そのものの再生を目指すための細胞樹立法や細胞分化誘導法の開発を目的として、初期歯胚の内エナメル上皮と外エナメル上皮の遺伝子発現差異に着目し、エナメル器からのエナメル芽細胞への分化や間葉系細胞との相互作用に必須の因子を同定することを試みる。更に、同定した因子群と、上皮間葉形質転換（Epithelial to mesenchymal transition: EMT）やIPS（Induced pluripotent stem cell）細胞に見られる様な未分化性誘導因子とを組み合わせ、易採取の口腔粘膜から得られる上皮細胞に遺伝子導入を行い、エナメル芽細胞を樹立する。そして、間葉系幹細胞との相互作用で象牙芽細胞への分化を誘導し、非歯胚由来細胞での歯胚再生を目指すことである。まず、口腔粘膜由来の多分化能性上皮細胞の回収、セルラインの樹立を目的として、生後1ヶ月と3ヶ月のマウス口腔内から３ｍｍ角の口腔粘膜上皮を採取し、コラゲナーゼ処理した後、幹細胞回収用コニカルチューブ（ステムフル、住友ベークライト）を用いて細胞を遠心・回収した後、未処理培養皿に回収した細胞を播種し、未分化上皮細胞群の単離を行った。培養開始後2日、細胞の多くは浮遊し接着しなかった。しかし一部の細胞は接着し、培養1週間でコロニーを形成するようになった。その後、更に1週間培養した後、細胞を培養皿より剥離し継代を行い、口腔粘膜上皮由来上皮細胞の樹立を行った。細胞形態は敷石状で一般的な上皮細胞形態であった。マイクロダイセクションを用いた前エナメル芽細胞への分化必須因子の同定は、サンプル回収条件や部位の選定など、解析に至る前段階での検討を引き続き行っており、結果を得るに至っていない。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度の達成目標は、(1)前エナメル芽細胞への分化必須因子の同定、(2)口腔粘膜由来の多分化能性上皮細胞の回収、セルラインの樹立、(3)単離した細胞群の未分化能の解析及び維持の3点であった。(1)については前述の通りマイクロダイセクションの条件検討に時間を要しており結果を得るに至っていない。固定された切片からのRNA抽出を検討しているが、純度の高いRNAが取れないことが問題点である。現在、固定材の変更や無固定での回収等を比較検討し最善の方法を模索している。(2)の細胞回収については前述の通り行えているが、上皮細胞特有の継代の困難さから、解析に使用できる十分量の確保には至っておらず、(3)の未分化能の解析には至っていない。現在、いくつかの上皮細胞用培地を比較検討し、その培養方法について検討している。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、口腔粘膜由来の多分化能性上皮細胞の安定的な回収、セルラインの樹立を目的として培地や培養方法の検討を行い、その細胞群の未分化能の解析を行う。また、幹細胞様上皮細胞がいくつかの企業、団体から入手可能になってきている。研究の進行をスムーズにするために、口腔粘膜上皮由来細胞にのみ拘らず、これら入手可能な細胞の使用も考慮している。前エナメル芽細胞への分化必須因子の同定および得られた未分化上皮細胞への遺伝子導入を、当初、本年度の目的としていた。現在同定のための条件検討を行っており、可能な限りその遺伝子導入まで行いたいと考えている。これら因子の他に、元来エナメル質や象牙質に存在する特異性の高いタンパク質がエナメル芽細胞・象牙芽細胞の分化やそれら相互作用に関与している可能性が示唆されてきており、これらタンパク質の遺伝子導入を組み合わせることも検討している。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度はマイクロダイセクション及びマイクロアレイ解析を条件検討が予定通り進まず行えなかったために、研究費使用予定額の一部が本年度繰り越しとなった。本年度予算配分の多くはこの解析に費やす予定である。他には導入予定遺伝子発現ベクター作製に関わる分子生物学試薬購入費用や上皮細胞の購入並びにその培地の購入費が主な支出として予定している。
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Research Products
(1 results)
