2013 Fiscal Year Annual Research Report
成体由来細胞を用いてのエナメル芽細胞樹立と歯胚再生法の確立
Project/Area Number |
23792176
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 茂樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (30549762)
|
Keywords | 象牙芽細胞 |
Research Abstract |
本研究は、う蝕除去後等の修復処置部位に、エナメル質と象牙質を再生させたり、歯芽欠損部への歯芽そのものの再生を目指すための細胞樹立法や細胞分化誘導法の開発を目的として、エナメル芽細胞や間葉系細胞への分化やそれらの相互作用に必須の因子を同定することを試みることである。元来の目的は口腔粘膜から採取した上皮組織から得られた敷石状の上皮細胞を間葉系幹細胞と共培養させ、上皮-間葉相互作用を促す因子を同定することを目的としていたが、継代培養が可能で実験に供するに十分量増殖するような上皮細胞の樹立が困難であった。元来エナメル質や象牙質に存在する特異性の高いタンパク質がエナメル芽細胞・象牙芽細胞の分化やそれら相互作用に関与している可能性が示唆されてきていることから、本年度は象牙質に高発現するDentin Matrix Protein-1 (DMP-1)及びDentin sialophosphoprotein (DSPP) それぞれの組み換えタンパク質を作製し、これら組み換えタンパク質が間葉系幹細胞の接着・増殖・分化等に与える影響を検討した。DMP-1, DSPP共に中央部でプロテアーゼの分解を受けアミノ末端側、カルボキシル末端側の異なったタンパク質として機能するが、今回はインテグリン結合配列アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)配列を持つカルボキシル末端側の組み替えタンパク質を精製した。DMP-1上にコートした間葉系幹細胞は良好な接着及び硬組織形成細胞への分化を認めたが、DSPP上にコートした細胞は接着そのものを認めなかったことから、DSPPのカルボキシル末端側であるDentin phosphoprotein (DPP)はintactな状態では接着・分化誘導などの活性が低く、歯芽の発生段階で発現する細胞外基質の活性は更なるプロテアーゼの影響下で制御されている可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] The Inflammation-lipocalin2 axis may contribute to the development of chronic kidney disease.2014
Author(s)
Hashikata, A., Yamashita, A., Suzuki, S., Nagayasu, S., Shinjo, T., Taniguchi, A., Fukushima, M., Nakai, Y., Nin, K., Watanabe, N., Asano, T., Abiko, Y., Kushiyama, A., Nagasaka, S., and *Nishimura, F.
-
Journal Title
Nephrol Dial Transplant.
Volume: 29
Pages: 611-618
DOI
Peer Reviewed
-