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2011 Fiscal Year Research-status Report

ミニマルインターベンションを確立するための根間内象牙質接着性の解明

Research Project

Project/Area Number 23792186
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

坪田 圭司  日本大学, 歯学部, 助教 (20386113)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords接着 / 支台築造用レジン
Research Abstract

歯冠崩壊が著しい失活歯症例においては,根管治療後に間接法支台築造が行われていたが,技工操作を伴う多くの制約があるために,健康歯質の削除を余儀なくされていた。また,金属を用いた支台築造では,セメントを用いる必要があり,その適合性が劣る場合では応力集中によって歯根破折が生じ,抜歯に至ることもある。したがって,可及的に歯質を保存することによって,歯の延命を図る修復方法の確立が望まれている。そこで,歯質に近い物性を有し,歯質の削除量が比較的少なく,さらに残存根管歯質の構造的な強化を目指して,これまで歯冠修復材で蓄積された接着技法を応用した直接修復法のレジン支台築造に着目した。すなわち,レジン支台築造を用いることによって,根管治療を受けた歯質の可及的な保存ならびにこれを口腔内にて有効に機能させることを目的として,23年度はこれまで不明であった照射強度が支台築造レジンの象牙質に対する接着性に関する検討を行うこととして,初期の接着性に関しての詳細な検討を行った.その結果,支台築造用レジンに対する光線の照射強度よる差はシステムにより異なるものであった。光強度によって接着強さが変わらないもの,あるいは光強度の低下に伴って接着強さが低下するシステムがあることが確認された.また,電子顕微鏡観察においては,いずれの支台築造レジンシステムにおいて,異なる照射条件でも良好な接合状態を呈しており,明瞭な形態的な違いとしては観察されなかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

歯冠崩壊が著しい失活歯症例は,印象採得後にメタルを用いた支台築造が用いられてきた。この方法は技工操作に伴う制約から便宜的な健康歯質の削除を余儀なくされている。また,装着には合着用セメントを用いるために応力集中により,歯根破折などの危険性が指摘されている。この歯根破折の報告は増加傾向にあることから,失活歯に対してMIの概念に基づき健全残存歯質を可及的に保存し,その機能の保持を目指した直接支台築造法が臨床で応用されている。しかし,直接支台築造用レジンを用いた歯冠修復法において,高い予知性を得るためのエビデンスは,十分とは言えないのが現状であることから,本研究は支台築造歯冠修復法の確立を目的とする。現在までは,光線の照射強度が象牙質に対する接着性に及ぼす影響について接着試験および電子顕微鏡による接合界面の解析に関しては順調に進んでおり,学会での発表も既に行っていることから研究はおおむね順調に進展しているといえる.

Strategy for Future Research Activity

接着試験1)被着象牙質:被着根管内象牙質としては,ウシ前歯新鮮抜去歯の根管内象牙質とする。すなわち,接着試片の製作に際し,これを縦断し歯髄組織を除去した後,超音波洗浄を5分間行い,エアシリンジで乾燥したものを用いる。2)接着強さ試験:接着強さ試験では接着耐久性について検討するため,各製造者指示条件に従って支台築造用レジンと接着させる。37℃精製水中に24時間保管した後に,サーマルサイクル(サーマルショックテスター,トーマス化学器械)を負荷する。接着強さの測定は剪断接着試験用治具に試片を取り付け,万能試験機を用いて,その剪断接着強さの測定を行う。また,接着強さを測定した試片については,走査電子顕微鏡を用いて詳細な破壊形式の判定を行う。3)接合界面の観察:象牙質と築造用レジンの接合界面の観察を行うために,接着強さ試験と同様に製作した試片をエポキシ樹脂に包埋した後,金蒸着後,走査電子顕微鏡を用いて処理面の観察を行う。形成された樹脂含浸象牙質についても同様に観察する。4)弾性率の測定:サーマルサイクルを負荷した支台築造用レジンに対する超音波の伝播時間の測定は,パルスレシーバーを用い,音響レンズ前面に先端直径3mmの超音波収束機構を有するコーン状チップを接続して行う。このチップ先端を試片に接触させ,試片中を伝播する送信波と反射波との時間的な差を求め,得られた値と理論式とから音速,音響インピーダンス,ポワソン比および弾性率を求め,劣化状況と測定された超音波特性および接着耐久性との関連性について検討を加える。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後の研究を遂行するために必要な研究費としては,昨年度と同様に接着試験及び接着耐久性試験にかかる材料の購入が必要である.すなわち,実験に関する材料費として接着試験関係では,被着体となるウシ歯および数種類の支台築造用レジン接着システム一式,さらに接着試片の作製に必要なモールドなどの消耗品を購入する.また,歯台築造用レジンと歯質の接合界面の電子顕微鏡観察に必要な研磨材および試料を包埋するために必要な樹脂材,さらに試料を固定するためのカーボンテープなどの物品も購入する.また,弾性率を超音波測定を用いて行うために必要な消耗品を購入する.さらに,研究成果を外国語論文で発表するために,アメリカ合衆国,ネブラスカ州にあるクレイトン大学で研究の打ち合わせを行うために,その旅費申請も併せて行う.

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] Effect of Previous Acid Etching on Bonding2012

    • Author(s)
      Tsubota K
    • Organizer
      2012 AADR Annual Meeting
    • Place of Presentation
      Tampa(アメリカ合衆国)
    • Year and Date
      2012月3月24日
  • [Presentation] 光強度が試作コア用レジンの象牙質接着性に及ぼす影響2012

    • Author(s)
      清水裕亮
    • Organizer
      第30回日本接着歯学会学術大会
    • Place of Presentation
      函館市民会館(北海道)
    • Year and Date
      2012年1月21日
  • [Presentation] 光強度が試作コア用レジンの象牙質接着性に及ぼす影響2011

    • Author(s)
      大藤竜樹
    • Organizer
      第135回日本歯科保存学会 2011年度秋季学術大会
    • Place of Presentation
      大阪国際交流センター(大阪)
    • Year and Date
      2011年10月20日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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