2012 Fiscal Year Annual Research Report
慢性根尖性歯周炎に起因した口腔顔面領域における疼痛異常の神経機構解明
Project/Area Number |
23792192
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 康平 日本大学, 歯学部, 助教 (10508609)
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Keywords | 関連痛 / 異所性異常疼痛 / 歯内疾患 / 歯髄炎 / 慢性根尖性歯周炎 / 慢性疼痛 |
Research Abstract |
平成23年度に得られた結果を踏まえ、平成24年度は以下の研究計画にて申請を行い良好な研究結果を得た。 1、MEK阻害薬、グリア細胞阻害薬あるいは抗炎症性サイトカイン投与の効果 上記阻害薬を用いたところMEK阻害薬の使用時においてとくに、平成23年度の研究遂行により確認された歯髄炎あるいは慢性根尖性歯周炎発症時に発現する異所性の疼痛異常の回復が認められた。 2、各種阻害薬投与後の三叉神経脊髄路核での侵害受容に対する活動性変化 平成23年度の研究計画にて確認された神経細胞体におけるpERK陽性細胞およびc-fosの発現は、各種阻害薬によってどのようなタンパク合成変化が起こるかを検索した。MEK阻害薬の髄腔内投与を行った群においては、コントロール群と比較して有意なpERK陽性細胞数の発現減少が確認された。 上記1および2で得られた結果は申請書に記した仮説に基づいており、上記歯内関連疾患発症時に認められる異所性疼痛異常発現には、MAP kinaseの一つであるpERKが強く関連していることが考えられる。これら一連の研究および臨床活動から、平成23年度および24年度において国内学術論文2本および海外学術論文2本、計4本の研究業績を報告することができた。今後はこれまでに得られた研究成果をもとに、さらなる研究計画を遂行し、日常の歯科臨床の場でしばしば歯科医を悩ませ、また「誤診」「誤治療」の原因となる可能性の強い「異所性疼痛発症機構」について解明を続ける。
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Research Products
(7 results)