2012 Fiscal Year Research-status Report
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23792197
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
竹内 摂 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70548320)
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Keywords | 細胞・組織 / 炎症 / レーザー / 再生医学 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究はヒト歯髄由来線維芽細胞を用いて,炎症性サイトカイン刺激がMMPs産生にどのような影響を及ぼすかを検討し,炎症伝達経路の解明及び象牙芽細胞分化について検討する.さらに炎症伝達経路に対する阻害剤を用いることによる影響を検討する. ヒト歯髄由来線維芽細胞に対するCO2レーザー照射を行い,炎症時におけるCO2レーザーの有効性について検討する.またレーザー照射による歯髄細胞活性,象牙質分化促進作用について検討し,歯髄組織再生の可能性を見出すことを目標として初年度から引き続き研究を行った. MMPsはMMP1~28までの25種が存在する.膜結合型と分泌型に分類され,分泌型にはコラゲナーゼ群,ゼラチナーゼ群,ストロムラ イシン群,その他に大きく分類される.そして生体内に存在する種々の細胞外マトリックス成分を分解する. 炎症性サイトカインであるTNF-α,IL1-β刺激によるMMP-3の炎症伝達経路は我々の研究によりMEK-ERK1/2経路の関与を明らかにしている. また,MMP-3は他のMMPsを活性化することがすでに知られている.そこで本年度は,ヒト歯髄由来線維芽細胞におけるMMPsに関する活性を明らかにするために,ヒト歯髄由来線維芽細胞をTNF-α,IL-1β刺激しMMPsの産生を検討した.本年度よりTNF-α,IL-1β,FasL刺激によるヒト歯髄由来線維芽細胞におけるアポトーシスに関する研究も進めている.Lentiviral miR RNAi Expression Systemを用いて,炎症性シグナル伝達分子などに対するmiR RNAiのプラスミドを作製した.ヒト歯髄由来線維芽細胞をノックダウンすることで,炎症性シグナル伝達経路をさらなる解明を進めていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2カ年目の研究計画として,初年度より継続して炎症性サイトカイン刺激によるMMPs産生の解明を中心として研究を進展させてきた.初年度よりの研究の継続に加え,本年度は炎症性サイトカイン刺激によるヒト歯髄由来線維芽細胞におけるアポトーシスに対する影響についても検討を行った.炎症性シグナル伝達分子の解明を軸として2カ年目の研究を進展させた.申請時との計画に変更があったもののおおむね2カ年目の計画は順調であった.
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Strategy for Future Research Activity |
Lentiviral miR RNAi Expression SystemによるRNAiを行う.次年度は各種miRNAを発現するレンチウイルスを精製し,MMPs発現あるいは炎症伝達に関与する歯髄細胞に添加し,stableなクローンを分離する.このクローンを用いてTransmigration assayを行い,目的分子をノックダウンしTransmigrationにおける役割を検討する.さらに歯髄細胞にtransient なtransfectionを行い,目的分子のノックダウンによる影響を検討する.stableなクローンに,wild typeの分子を再発現させることによるレスキュー実験を行う.また,目的分子のmutantを発現した際の細胞の挙動を検討し,重要なアミノ酸配列を検討する. 炎症伝達経路の解明に加え炎症性サイトカイン刺激がアポトーシスに及ぼす影響についても合わせて検討を続ける. ヒト歯髄由来線維芽細胞におけるレーザー照射による影響についても各種レーザー光源を用いて検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記研究を遂行するために必要な抗体,各種試薬,器具などに研究費を使用する.また,情報収集や研究成果を発表するために、国内外学会(日本歯科保存学会 他)への出張費も使用する予定である.
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Research Products
(2 results)