2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三好 慶忠 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10508948)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 欠損補綴 / 難易度 / 疫学 |
Research Abstract |
申請時の予定通り今年度の健診には、約150名が参加し、研究への同意が得られた。対象者は、岩手県花巻市大迫町保健福祉センターで行われた5回の健診に30名ずつ参加し、すべての日程に東北大学大学院歯学研究科加齢歯科学分野の歯科医師5名(アンケート聴取者1名、口腔内診査者2名、記録者2名)が出席し、アンケート調査、口腔内診査を行い、データ収集を行った。このデータに医科系の調査結果を加え、さらにこれまでに得ていた500名のデータと統合し、コホートがより充実化された。次年度の調査、データ追加と欠損補綴歯科診療の難易度についての解析を行う前に、予備的に現在データが得られている650名分のデータを用いて、現在歯数と咬合支持が口腔関連QOLに対して及ぼす影響について解析を行った。結果、咬合支持数が低下した場合、現在歯数が少ない群よりも多い群の方が、口腔関連QOL低下のリスクが高く、特に咀嚼に対する満足度が低下しやすい事、さらに、高齢者ほどその傾向が強いことが明らかになり、咬合支持を持つ歯の保存が高齢者の口腔関連QOLの維持に重要であることが考えられた(日本老年歯科医学会第22回学術大会にて発表)。今回得られた結果は、欠損補綴歯科診療の難易度定量化に関するものとは異なるが、その手法は、口腔関連QOLと各因子の関連度を算出し、利用するものであるため、口腔関連QOLと咬合支持・現在歯数に関連をみとめられた事は、本研究において重要な意味を持ち、良好な結果が得られていると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の調査への参加者数も申請書に記載した見込み通りであり、対象者に対する調査も問題なく実施された。今年度までに得られたデータのみを用いて解析を行ったところ、申請時に予想した結果と類似した結果を得ており、この内容をまとめて、日本老年歯科医学会にて、成果を発表できている。サブスタディとして申請書に記載した縦断調査についてもデータが蓄積されつつあり、申請書通りに研究を進められている。現在の達成度は、当初の予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も昨年度同様に、フィールド調査、データ解析を行い、研究を継続する。今年度得られるデータを昨年度までのデータと合わせて欠損補綴歯科診療難易度についての分析を行う。咬合三角分類各エリアの口腔関連QOL低下が起こりやすい確率を算出しまとめて、論文発表を行う予定である。可及的にサブスタディとして用意していた研究テーマに関しても研究をすすめ、成果を発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度健診にかかる費用として、調査時にかかる診査者の旅費、並びにデータ入力など補助作業を行う歯科医師への謝金が必要となる。また、日本補綴歯科医学会第121回学術大会(2012年5月26日~27日、神奈川)、日本老年歯科医学会第23回学術大会(2012年6月22日~23日、つくば)へ参加し、成果発表、意見交換のための旅費に使用する。さらに論文投稿に関わる英文校正費、投稿料などにも使用する予定である。
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