2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792202
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三好 慶忠 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10508948)
|
Keywords | 欠損補綴治療 / 難易度定量 / 疫学研究 |
Research Abstract |
今年度の検診には、約120名が参加し、すべての対象者へ研究に対する説明を行い、同意を得た。対象者は、岩手県花巻市大迫町保健福祉センターで行われた4回の検診に約30名ずつ参加し、すべての日程に東北大学大学院歯学研究科加齢歯科学分野の歯科医師5名(アンケート聴取者1名、口腔内診査者2名、記録者2名)が出席、アンケート調査、口腔内診査を行い、データ収集を行った。このデータに医科系の調査結果を加え、さらにこれまでに得ていたデータと統合し、約800名分のデータを用いて、欠損補綴歯科診療の難易度についての検討を行った。 本研究では、補綴学会から発表された『歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン2008』の部分歯列欠損に着目し検討することを目的としているため、ガイドライン中で設定された部分歯列欠損に該当する欠損形態の症例を解析の対象とし、全検診参加者のうち1歯以上の歯の欠損を有する者で、欠損の補綴処置が固定性欠損補綴装置のみで施されている者と上下顎ともに無歯顎である者を除いた461名を抽出、口腔関連QOLを難易度評価の代替指標として応用し、欠損歯科補綴診療ガイドラインの主分類となっている咬合三角分類について、難易度の定量化を試みた。ロジスティック回帰分析により解析を行った結果、エリアA(咬合支持数10ヶ所以上)を基準とした場合、エリアB(咬合支持数9-5ヶ所)、エリアC(咬合支持数4ヶ所以下かつ現在歯数10歯以下)、エリアD(咬合支持数4ヶ所以下かつ現在歯数18-11歯)は、それぞれ有意に高いオッズ比を示し、算出されたオッズ比は、各エリアの欠損歯科補綴診療の難易にかかわる寄与度を表していると考えられるものであった。本研究の結果から欠損歯科補綴診療における難易度の定量化に本手法が有効である可能性が示唆された。
|