2011 Fiscal Year Research-status Report
動力学解析に基づくインプラント周囲骨応力挙動に関する研究
Project/Area Number |
23792204
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
重光 竜二 東北大学, 大学病院, 医員 (00508921)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | インプラント / 上部構造 / FEA / 生体力学 |
Research Abstract |
研究目的であるインプラント周囲組織のストレス応答挙動の解明を目指して、本年度は被験者の生体力学的個体差を反映した解析システム上でインプラント周囲骨におけるストレス応答に影響を与える要因を分析した。具体的には、インプラント上部構造を連結した場合と非連結とした場合の2種類の有限要素モデル上で、被験者口腔内において測定されたリアルタイム実測荷重を荷重条件として応力解析を行った。これによりインプラント上部構造の連結がストレス応答に対して与える影響の考察を行った。応力評価に際しては一般的な数値解析に用いられている局所的な最大応力値のみならず応力空間的な分布を考慮して、インプラント周辺の応力集中領域における平均応力値・応力集中領域の体積量、これら2種類の評価値を用いた。解析結果から、最大咬みしめ時および咀嚼時において上部構造の連結により骨内応力値の低減、骨内応力分布領域の低減およびインプラント間における応力の分散が見られた。つまりインプラント上部構造の連結は、周囲骨におけるメカニカルストレスの低減に対して有効であることが示唆された。インプラントおよび天然歯における上部構造の連結により周囲組織におけるストレス分散効果があることはこれまでにも報告されているが、被験者口腔内でおいて測定されたリアルタイム実測荷重を荷重条件として用いている点において本解析は臨床的状況下における口腔内のシミュレーションとして他の報告比べて解析信頼度が高いといえる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画に準じて、被験者口腔内におけるリアルタイム荷重測定および有限要素解析を行い、インプラント上部構造の設計が周囲骨におけるストレス応答に与える影響を解明した。本年度の研究成果は、次年度以降の研究遂行に資するものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度はクラウン、ブリッジ、インプラント義歯などの様々な補綴装置におけるケーススタディを行うことにより、インプラント周囲骨ストレス応答に影響を与える要因に関して多角的な分析を行う。これにより、生体力学的考慮に基づくインプラント診療支援システムの確立へと繋げる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、解析システムの確立に重点を置き解析ケースを限定したために研究費の使用を一部保留した。当該研究費は、次年度以降の解析ケースの増加に伴う設備整備およびデータ分析費用に充てる予定である。
|
Research Products
(2 results)