2011 Fiscal Year Research-status Report
有床義歯の設計と発音~コンピュータ音声認識による発音検査を用いた研究~
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23792207
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
服部 麻里子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (70418664)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 有床義歯 / 補綴 / 音声 / 音声認識 / 音響分析 / 歯科治療 / 顎欠損 / 顎顔面補綴 |
Research Abstract |
はじめにコンピューター音響解析ソフトウエア(OscopeBasic)を用いて発話能力検査システムを開発した.正常被験者男性10名女性10名を,当分野に実習中の学生と当分野の医局員から募集した.また本学歯学部附属病院顎義歯外来に通院中の有床義歯装着患者男性10名女性10名のうち,一ヶ月以上義歯を問題なく使用している者を患者群とした.正常被験者の印象を採得し,加熱重合レジンにて実験的口蓋床を作製した.口蓋床装着時と非装着時の発話能力を評価した.また患者群においては義歯装着時と非装着時における発話能力を評価した.またそれぞれの被験者において,従来の聞き取りによる方法として発語明瞭度検査と会話明瞭度検査を行った.ナゾメーター検査やフォルマント分析など他の音響分析も合わせて行い,結果を比較した.本年度の前半で正常被験者についての研究を行い,後半で有床義歯装着患者にについての研究を行いそれぞれ発表を行った.正常者では実験的口蓋床装着時は非装着時と比較して心理音響値であるシャープネスの値が低くなり,また音声認識スコアも低下した.義歯装着患者では義歯装着時は非装着時と比較してシャープネスの値が有意に高くなり,音声認識スコアも上昇した.正常者では検査システムによる結果と会話明瞭度に相関がみられ,また患者では検査システムによる結果と発語明瞭度検査,会話明瞭度検査の結果にそれぞれ相関が見られた.これらの結果について国内外の学会で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究を進めることができ,興味深い結果が得られたため国内外の学会にて発表を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
音声認識技術を用いた評価と比較検討するために行った心理音響分析において興味ある知見が得られたため,心理音響分析ソフトウエアを用いてさらに詳しく患者および正常者の音声を解析していく.得られた結果をまとめて論文を執筆し,発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
4月に音響分析ソフトウエアを追加購入し,引き続き患者を被験者とした検査を行う.正常者の結果をまとめる.6月に日本補綴学会にて正常者の実験について成果発表.7月から10月にデータのまとめと解析,発表準備を行う.8月に国際学会FDIにて正常者の実験について成果発表を行う.11月より論文親筆を行い投稿する.必要に応じて英文校正を行う.
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