2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792208
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金澤 学 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80431922)
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Keywords | 筋形成 / 全部床義歯 / 製作方法 |
Research Abstract |
現在、全部床義歯製作のために歯学部教育では、印象採得は2回(概形印象と精密印象)に分けて行うように指導している。しかし、筋形成による辺縁形成を伴う精密印象という手法にエビデンスはない。そこで、既製トレーを用いた概形印象のみによる方法と筋形成による辺縁形成を伴う精密印象による方法が完成義歯の満足度に与える影響と義歯製作における費用を算出し、費用対効果を分析することをこの研究の目的とした。 研究はクロスオーバーのランダム化比較試験を行った。被験者数は20名に設定し、1人につき概形印象法と精密印象法の2つの方法により、上下2セットの全部床義歯を製作することとした。術者は2名、評価者は術者以外の2名の歯科医師によって行った。1つ目と2つ目の義歯製作の間は1ヵ月間のインターバルを設け、ウォッシュアウト期間とした。ウォッシュアウト期間中は旧義歯を使用し、2つの義歯完成後にどちらの義歯が良かったかを被験者に選択させた。義歯評価は義歯完成後、1週間ごと計4回の調整終了後に実施した。主要アウトカムの評価項目は、自己記入式質問票による主観的満足度、客観的咀嚼能力、時間、費用の4項目である。 被験者はACP分類によってClassI~ClassIVに分類し、その分類を用いてランダムに2つのグループ(概形印象法と精密印象法)に割付けを行った。術者はどちらの方法で義歯製作を行っているか認識しているが、被験者と評価者は盲検化された状態で義歯製作した。 現在、被験者は27名で男女比は男:女=11名:16名、ACP分類ではClassIIIが13名と一番多く、ClassIIとIVが6名ずつ、ClassIが2名という内訳になった。 臨床試験を継続して実施中である。
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