2011 Fiscal Year Research-status Report
歯科治療時の術者の心理的ストレス検出モニタリング装置の開発
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23792212
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 輝保 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (80396994)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 心理的ストレス / 発汗 |
Research Abstract |
現在の病院歯科におけるリスクマネージメントは、実際に起こった医療事故のみを対象に調査し、解析されている。しかし、日常臨床上のヒヤリハット等の潜在的要素や、その原因となる心理的ストレスとの関連性まで、考慮されていないためリスクマネージメントとしては不十分な面もある。本研究は、術者の心理的ストレスをモニタリングする装置を開発し、医療事故に繋がるヒヤリハットとの関連性を明らかにし、新たなリスクマネージメントを提言することを目的としている。過去の研究により心理的ストレスの検出として手指の精神性発汗が有効であることがわかっている。そのため、術者の治療時の心理的ストレス測定に手指の発汗による湿度変化の測定が有効である点に着目した。術者は治療用グローブを装着するため、すでに発汗による湿度変化を測定するための密閉空間となる。計画当初はグローブ内に湿度センサーを内蔵させ測定しようと試みていた。湿度センサーには既製品を用いることを計画していたが、今回新たに開発された皮膚上の湿度変化を測定する装置を採用することにした。その採用理由はグローブ内にセンサーを入れる必要がないため歯科診療時に手指の動きの妨げになることが少なくなると考えたからである。ただし、この装置について信頼性・妥当性の検証はなされていないため、検証の必要がある。当該年度は、新たな装置の信頼性・妥当性の検証を目的に測定を行ってきた。現在、データを解析し、論文製作中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度の計画目標である無侵襲・非拘束計測が可能なモニタリングシステムを製作する。これに関しては概ね達成されている。 ただし、被験者に関しては当初の目的では、被験者として、臨床経験年数の少ない歯科医師5 名、10 年以上の経験のある歯科医師5 名の、歯科治療中の発汗、心拍数を経時的に測定し、アンケートによる主観的評価法も含めその信頼性、妥当性を検証する。以上の計画の実行が遅れている。今回の被験者は診療中の歯科医師ではなく、平常時の歯科医師での予備実験のみを行った状態である。また、心拍数を経時的に測定する方法及びアンケート方法について検討中である。 以上により、やや遅れている状況であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画当初は発汗を測定する方法として、グローブ内に湿度センサーを内蔵させ測定しようと試みていた。湿度センサーにはスキノス社製の既製品を用いることを計画していたが、新たに開発された皮膚上の湿度変化を測定する装置を採用することにした。その採用理由はグローブ内にセンサーを入れる必要がないため歯科診療時に手指の動きの妨げになることが少なくなると考えたからである。ただし、この装置について信頼性・妥当性の検証はなされていないため、検証の必要がある。また、心拍数の測定についても圧電素子を応用しセンサー使用する予定であるが、装置の組み上げ及び、その信頼性・妥当性の検証も必要である。今後の課題としては、少なくとも今年度内に装置の信頼性・妥当性の検証を終えることで次年度以降の測定に備えることとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の推進方法に従い、モニタリングシステムの構築のために研究費を使用する。具体的には皮膚上の湿度変化を測定する装置、心拍数を測定する装置、そしてそれらのデータをノートPC上で同時に測定できるソフトウエアや解析、及び統計に用いるソフトウエアを購入予定である。
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