2011 Fiscal Year Research-status Report
下顎領域の口腔腫瘍術後患者における咀嚼機能回復度予測
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23792220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城下 尚子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10448110)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 顎顔面補綴学 |
Research Abstract |
口腔腫瘍と診断され、手術前に当科を受診した患者に対して、口腔内診査および口腔内写真撮影、機能評価(検査用グミゼリーを用いた咀嚼能率測定・デンタルプレスケールを用いた咬合力測定・30mlの水を用いた水のみテスト)、口腔周囲組織(舌・口唇・軟口蓋)の可動性の検査、構音検査、アンケート調査(EORTC C30,H&N35,摂取食品)を実施した。得られた検査結果と患者情報をチェアサイドでデータベースに登録し、さらに術後の経過を追って、術後1か月、3か月、6か月、12か月の時点で同様の評価を行いデータを登録した。口腔腫瘍の術後の病態は多種多様であり、部位による特殊性が予測される。そのため、切除部位を「下顎」「舌」「口底」の3群に分け、それぞれ30名集まるまで収集する予定としているが、現時点では順調にデータの集積は進んでいるものの、術後12か月まですべてのデータはまだ目標数は揃っていない。現時点で集まったデータをもとに、EORTC H&N35を用いたQOLの評価結果と口腔機能との関連についての分析を行い、QOLスコアの経時的変化は、QOLの項目と症例によってばらつきが認められたが、術後1か月と比較した場合には、3か月後と12か月後の「嚥下スコア」、12か月後の「疼痛スコア」「社会的コンタクトスコア」の項目について改善する傾向が認められたとの結果を得、これらを学会にて発表した。また、データベースを用いたシステムにより、データの漏えいや紛失は現在のところ起こっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した人数のデータ集積が行われていることから、今後このペースでデータが集積できれば予定通りの分析が可能であると思われるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の対象者数に加えて、データの集積を継続する。口腔腫瘍の術後の病態は多種多様であるため、切除部位に特化した予測モデルを求めることがより臨床的に有益な情報となる。そのため部位毎の分析を行う。また、QOL調査票を用いて、咀嚼機能回復度との関連を分析することで、口腔腫瘍術後患者のQOLの実態とQOLにおける咀嚼の位置付けを明らかにすることを目的としたさらなる分析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で、必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行額が異なった。しかし、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて当初の予定通りの計画を進めていく。
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