2011 Fiscal Year Research-status Report
インプラント‐骨界面に発現する細胞外蛋白の三次元的局在と機能解析
Project/Area Number |
23792221
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉田 宜之 岡山大学, 大学病院, 医員 (90509499)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | インプラント / オッセオインテグレーション / 骨接触率 / 細胞外蛋白 |
Research Abstract |
インプラント骨界面において組織学的に観察される骨接触率の低下に対して細胞外蛋白による結合が発現・増強し,これによりオッセオインテグレーションの機械的特性の低下を防止しているという仮説を立証することを目的とした.そこで(1)ラットの脛骨に埋入したインプラントに与えたメカニカルストレス負荷によって骨接触率が適切な段階的変化を生じる負荷時期を決定すること,(2)その骨接触率の段階的変化が細胞外蛋白の発現時期と局在に変化を及ぼすかについて,(3)細胞外蛋白の発現様式について,インプラント周囲骨を含めた組織切片を三次元構築し,空間的な局在性と機能解析を検索することを目的として研究計画を立案した.さらに,インプラント周囲骨における細胞外蛋白の発現局在と骨接触状態およびオッセオインテグレーションの機械的特性の三者の関連について検討を加え,骨接触率の低下に対する影響を補正するために細胞外蛋白による結合が発現・増強し,オッセオインテグレーションの機械的特性を維持しているとの仮説について検討を行うことを目的とした.実験動物には15週齢のWistar系雄性ラット(70匹)を用い,インプラントとして既製のチタンポストを用い,左右の脛骨近心側1/4の部位に外科用エンジンとツイストドリルを使用して埋入を行った.その後、インプラント体にメカニカルストレスを負荷し, オッセオインテグレーションの定量的評価をトルクゲージを用いたリバーストルクテストにて行った.現在,連続非脱灰標本および連続脱灰標本を作製し検討を行っている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,インプラント骨界面において組織学的に観察される骨接触率の低下に対して細胞外蛋白による結合が発現・増強し,これによりオッセオインテグレーションの機械的特性の低下を防止しているという仮説を立証するために,(1)ラットの脛骨に埋入したインプラントに与えたメカニカルストレス負荷によって骨接触率が適切な段階的変化を生じる負荷時期を決定すること,(2)その骨接触率の段階的変化が細胞外蛋白の発現時期と局在に変化を及ぼすかについて,(3)細胞外蛋白の発現様式について,インプラント周囲骨を含めた組織切片を三次元構築し,空間的な局在性と機能解析を検索する本年度の研究計画を予定通り実施した.
|
Strategy for Future Research Activity |
インプラント周囲骨におけるオステオカルシン,オステオポンチンおよびオステオネクチンの細胞外蛋白の発現の局在についてin situ hybridization法と免疫組織学的手法を用いて経時的な組織学的検討を行い,細胞外蛋白が特異的に集積する部位の検索を行う.この検索結果と骨接触率およびオッセオインテグレーションの機械的特性結果との関連を検討し,骨接触率の低下を細胞外蛋白結合が補正し,オッセオインテグレーションの機械的特性を維持しているという仮説を検証する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度実施予定項目は以下のとおりである.1.骨接触率の計測:連続非脱灰研磨標本を対象として通法に従って画像解析ソフト(VMS-50 VideoPro®, Inotech社)を用いて骨接触率を計測する.2.免疫染色ならびにin situ hybridization:細胞外蛋白の局在の検索のために,作成した連続脱灰標本を対象として, in situ hybridization法と免疫染色を行う.なお免疫染色についてはPAP法とABC法の両者を行う.
|