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2011 Fiscal Year Research-status Report

骨組織におけるEphA4の機能解明とその骨組織再生医療への応用

Research Project

Project/Area Number 23792222
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

黒田 知沙  岡山大学, 大学病院, 助教 (40581096)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords国際情報交流
Research Abstract

EphA4 はチロシンキナーゼ型細胞表面受容体分子であり、その特異的リガンドとしてはephrinB2やephrinA2 などが知られている。しかしながら、骨を形成する成長板軟骨細胞や骨芽細胞表面に存在するEphA4 に結合し、リガンドとして機能する分子はいまだ明らかにはなっていない。また機能面でも、骨芽細胞による骨基質石灰化に重要であるという前述の事実以外には、まったく情報がないのが現状である。今年度では(1)(2)の2点に基礎的研究の準備並びに検討を行った。(1)長管骨組織におけるEphA4 のリガンドの探索リガンドの最有力候補はもちろん既知のephrin 分子であるので、これらについては組織における遺伝子発現、分布の解析を行うとともに、骨・軟骨成長板組織での存在を確認されたものについてはEphA4 との分子間相互作用を調べるために、ephrin 以外にもリガンドとして機能する分子がある可能性もあるので、プロテインチップを用いた網羅的スクリーニングを行いEphA4 と相互作用する新たな分子の探索した。(2)骨組織のリモデリング、および内軟骨性骨化におけるEphA4 機能の解析現在までの実験事実によれば、EphA4 は神経組織では細胞が明瞭な境界を保って層状に整列する現象に必要であること、および他のEph メンバーが骨のリモデリングを調節していることが明らかになっている。そこでEphA4 が、成長板で軟骨細胞が層状構造を形成すること、および骨のリモデリング現象に関与する可能性を検証するために、骨および軟骨組織でEphA4 を特異的に欠損、および強制発現させたマウス作製し、その表現型を解析する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

<EphA4 リガンドの特定と分子間相互作用の解析>(1) 正常骨・軟骨組織標本の作製と免疫染色による既知EphA4 リガンドの産生・分布の解析マウスを用い、生後1週における膝関節組織を摘出固定、EDTA による脱灰後、通法に従いパラフィン包埋を行い、厚さ7μm の連続切片を作製し、切片にephrinB5 をはじめとする既知リガンドに対する抗体を作用させ、これらの存否と分布をEphA4 と比較検討すを試みた。ephrinB2に関しては発現は見られず、他のリガンドに関してはまだ検討中である。(2)プロテインアレイによるEphA4 に対する未知リガンドの探索と解析既知のリガンドの特定が遅れているため、EphA4 のリガンドは既知のものだけとは当然限らないので、プロテインアレイを用いて未知リガンドを網羅的に探索する準備をおこなっている。幸いEphA4 のリコンビナントタンパク質は既に準備できているので、適切なアレイを用いてスクリーニングを行うだけである程度の情報が得られる予定である。

Strategy for Future Research Activity

(1) 正常骨・軟骨組織標本の作製と免疫染色による既知EphA4 リガンドの産生・分布の解析を引き続き行い、続いて初代細胞培養系とリアルタイム-RT-PCR 法によるリガンド産生の確認をマウス肋軟骨ならびに頭蓋骨よりコラゲナーゼ処理により分離回収した軟骨細胞、および骨芽細胞をin vitro で培養しつつ分化を誘導し、各段階でRNA を抽出する。抽出したRNA を逆転写し、LightCycler システムで上記の既知リガンド遺伝子の発現を、分化段階ごとに定量化してEphA4 のそれと比較する。(2) リガンドとEphA4 の分子間相互作用の解析においては、(1)で特定されたリガンドに対して、EphA4 との直接の結合を固相結合アッセイ法、およびビアコア装置を用いたSPR解析により評価する。とりわけSPR 法による解析では、結合の動的平衡を定量的に比較解析できるので、機能的リガンドの特定に有用な情報が得られる見込みである。(3) リガンド結合によりEphA4 を介して活性化される細胞内シグナルの解析では、ここまでの研究で特定されたリガンドについてはリコンビナントタンパク質を準備し、(1)の培養系に添加することによりEphA4 自身や、その下流に位置すると思われるシグナル伝達分子の活性化を、主としてリン酸化分子特異的抗体を用いたウエスタンブロッティング法で解析する。(4)プロテインアレイによるEphA4 に対する未知リガンドの探索と解析では、EphA4 のリガンドは既知のものだけとは当然限らないので、プロテインアレイを用いて未知リガンドを網羅的に探索する。幸いEphA4 のリコンビナントタンパク質は既に準備できているので、適切なアレイを用いてスクリーニングを行うだけである程度の情報が得られよう。ここで新たな候補に挙がった分子に対しても、上記の解析を順に適用する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

(1) 正常骨・軟骨組織標本の作製と免疫染色による既知EphA4 リガンドの産生・分布の解析を行うにあたり、追加の抗体や染色キット、並びに染色に必要な消耗品を購入予定である。(2) 初代細胞培養系とリアルタイム-RT-PCR 法によるリガンド産生の確認では細胞培養に必要なメディウムなどの消耗品等に使用予定。(3) リガンドとEphA4 の分子間相互作用の解析においてはビアコアシステムに必要な備品等に使用予定。(4) リガンド結合によりEphA4 を介して活性化される細胞内シグナルの解析ではウエスタンブロッティングに必要な備品、消耗品を購入予定。(5) プロテインアレイによるEphA4 に対する未知リガンドの探索と解析では、プロテインアレイはより正確かつ無駄のないよう外注で行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Book (1 results)

  • [Book] 隔月刊「補綴臨床」別冊クラウンブリッジ・インプラント・デンチャー補綴臨床のトラブルシューティング2011

    • Author(s)
      黒田知沙,丸尾幸憲,兒玉直紀,皆木省吾: 村田比呂司・土屋賢司編
    • Total Pages
      2
    • Publisher
      医歯薬出版

URL: 

Published: 2013-07-10  

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