2011 Fiscal Year Research-status Report
義歯床用レジンに付着した微生物に対する抗菌性機能水の除菌効果
Project/Area Number |
23792250
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
竜 正大 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20549985)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 義歯清掃 / 義歯洗浄剤 / 口腔微生物 / 義歯床用レジン |
Research Abstract |
平成23年度は、生体に安全で強力な消毒剤として生活環境において使用されている抗菌性機能水であるバイオショットの、義歯床用レジンに付着したCandida albicans、Streptococcus sanguinisおよびStreptococcus pneumoniaeに対する除菌効果を明らかにすることを目的とし、市販の義歯洗浄剤とその抗菌効果を比較した。義歯床用アクリルレジン(アクロンNo.3、GC)にて規格レジン片を製作し、研磨紙1000番まで研磨したものを試料とした。微生物溶液中に試料を浸漬し培養を行うことにより、試料にCandida albicans、Streptococcus sanguinisまたはStreptococcus pneumoniaeを付着させた。試料をリン酸緩衝溶液で洗浄後、バイオショット(以下BS群)、青ピカ(以下BP群)、赤ピカ(以下RP群)、デンチャークリーナー(以下DC群)、水(以下PC群)、コントロールとしてサブロー培地(以下NC群)中に浸漬した。浸漬後に1分間超音波洗浄を行いリン酸緩衝溶液で洗浄後、さらに無菌培地に試料を24時間浸漬して培養を行った。培養後に試薬を添加してルシフェラーゼ発光シグナルを計測し、ATPを定量することで生存微生物数を測定した。その結果、BSは本年度対象としたいずれの微生物に対しても、抗菌効果の最も強力な次亜塩素酸系義歯洗浄剤と同等またはそれ以上の除菌効果を有することが明らかとなった。本年度得られた結果は、安全で強力な消毒剤として生活環境において使用されているBSの義歯洗浄剤への応用について検討するにあたり、重要な意義を持つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
義歯床用レジンに付着した微生物に対する抗菌性機能水の除菌効果の検討を行うという平成23年度の目標は、Candida albicans、Streptococcus sanguinisおよびStreptococcus pneumoniaeについて除菌効果を明らかにすることができたため、ほぼ達成できたと考えられる。当初計画にあったPorphyromonas gigivalisについての検討は、誤嚥性肺炎の原因菌であるStreptococcus pneumoniaeについての検討を先行させたためにまだ達成されていない。次年度の研究課題とする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の実験計画の中で、完了していない義歯床用レジンに付着したPorphyromonas gigivalisに対する抗菌性機能水の除菌効果について追加検討する予定である。並行して、平成24年度分の当初計画の通り、使用中の義歯に付着した微生物に対する抗菌性機能水の除菌効果の検討を行っていき、義歯洗浄剤へのバイオショット応用の可能性について検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に引き続き試験片製作、微生物の検出および介入を行っていくため、それに必要な消耗品を購入予定である。また、世界へ向けて成果を発信するためにEuropian Prosthodontic Associationをはじめとした学術大会における成果の発表やパンフレットの作製などを予定しており、必要な旅費や経費を計上する予定である。
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