2011 Fiscal Year Research-status Report
抗菌・セルフクリーニング機能を有する義歯床用材料の開発
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23792255
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
澤田 智史 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (80550821)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 二酸化チタン / 光触媒 / 義歯 / セルフクリーニング / 抗菌 / アクリルレジン |
Research Abstract |
本研究では、高齢社会に適応できる汚れの付きにくい,もしくは汚れがついても簡便に汚れの除去ができるセルフクリーニングデンチャーの開発を目的としたものである。複合型二酸化チタンを義歯床用材料(アクリルレジン)に配合することで、就寝時取り外した義歯に紫外線照射を行うだけで、汚れを分解し、なおかつ、義歯表面の親水性機能を亢進することで汚れが付きにくくなることを想定している。セルフクリーニング効果は、光触媒がもつ酸化分解力と超親水性効果を合わせたものである。 今年度の研究において、光触媒機能評価として活性酸素種の検出・同定を行った。従来の方法では、紫外線照射した複合型二酸化チタン配合アクリルレジンからの活性酸素種の検出は不可能であり、ESR法にてスピントラッピング剤としてCYPMPOを用いることで検出が可能かを検証した。その結果、CYPMPO使用時にヒドロキシラジカル特有のピークを観察することができた。配合率・紫外線照射時間・強度による影響は今後、詳細に検討を行うものとする。 セルフクリーニング効果のもう一つの効果として、超親水性効果としてメチレンブルー分解試験を行った。これは、光触媒のセルフクリーニング評価項目としてISO10678に定めている方法を一部修正して行った。その結果、複合型二酸化チタン配合アクリルレジンは何も配合していないアクリルレジンおよび二酸化チタンを配合したアクリルレジンが紫外線照射を行ってもメチレンブルーを分解しないのに対し、時間依存的に有意にメチレンブルーを分解することから、その有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光触媒機能評価として活性酸素種の検出においては、実験方法の確立に時間を要してしまい、詳細なデータの蓄積は今後、行うものとする。その一方で、セルフクリーニング効果をデータ蓄積は順調にできていることから、抗菌効果の検証に移行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
セルフクリーニング効果をデータ蓄積は順調にできていることから、機械的性質・表面性質に及ぼす影響に関して検討をする。また、アクリルレジンのみならず、軟性裏装材に配合した際の光触媒効果について新たな検証を加える。今後は、さらに抗菌力の源であるヒドロキシラジカルの発生量とCandidaに対する抗真菌効果の因果関係について分析を行い、有益な研究データの蓄積を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度においても、複合型二酸化チタン・義歯床用材料・測定用試薬等の物品費に研究費の大半を当てるとともに、残りは専門学会にて新たな情報収集を図るため学術大会に参加するための旅費に充てるものとする。
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