2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792259
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10410052)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 国際情報研究 / CAD/CAM / 有床義歯 / 欠損修復 / バーチャルリアリティー / 義歯設計 |
Research Abstract |
バーチャルリアリティー空間での有床義歯設計支援システムの構築を進めており、システムの基本骨格となるプロトタイプのソフトウェアを製作した。さらに義歯設計に必要とされる部材として人工歯の3Dモデルの作成を行った。これにより、欠損部への義歯の設計を簡便にコンピューター上で3D表示できるようになり、歯科医師は患者や技工士に具体的イメージを伝えることができるようになった。今後は出力方法に関しても検討して行きたい。 しかし、一口腔内で設計を立案するためには歯冠修復に関する設計も避けては通れない。そこで、クラウン設計に関するソフトウェアの開発も視野に入れていれて開発することにした。 クラウン設計に関するソフトウェアは、有床義歯治療に関するソフトウェアと比較し、これまでも多く開発されている。模型上でのワックスアップをデジタルに変えたという意味では完成度が高いものが多く存在する。しかし、CADの強みを生かし、より生体に調和した補綴装置の製作を行う必要がある。そこで、歯や骨のデンタルCTやCTの画像データを歯列模型の3Dモデルと合成することで生物学的に適切なクラウン設計を行い、得られた設計データを3Dプリンターで出力することで、審美的にも優れた結果を残す製作法を開発した。この内容は、第3回日本歯科CAD/CAM学会において、『前歯部歯冠修復における機能的,審美的な調和を獲得するためのCAD/CAMとプレスセラミックスの応用』と題して、口演し、最優秀発表賞を受賞した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトタイプのソフトウェアの開発には成功した。しかし、ソフトウェアが具体的なものとなるにつれ、このソフトウエアを実用的なものとするためには、歯冠修復のための設計機能を持たせることが、必須であると考えた。そのため、クラウン設計のためにソフトウェアに持たせる機能を検討するのに時間を要した。しかし、ここで発案したクラウン製作にCTデータを応用する手法は新規性があるとともに、有効な手法であることが示唆された。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度は研究途中から、当初予定になかった歯冠修復に関する設計ソフトウェアの必要が生じてしまった。そのため,欠損補綴に必要な部材のVR素材の製作が途中になってしまった。そのため研究費も繰り越すことになった.24年度ははVR上での義歯設計に必要な部材の3Dデータの製作を前年度の残り分として可及的速やかに進行させる。前年度のクラウン設計におけるCTデータの応用法などを開発中のソフトウェアに加える。さらには出力方法への検討も進める。これまで、3DプリンターによるWAXパターンの出力を考えていたが、近年歯科応用されてきた粉末地金のレーザー焼結による造形も検討して行く。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ソフトウェアの開発に費やすとともに、各種部材の3Dデータの製作のためには義歯構成要素の現物が必要となる。また、近年欠損補綴の治療に不可欠なインプラントの3Dデータも必要となる。それらの製作には実物を3Dスキャナーで読み込むため、材料費が必要となる。出力方法の検討に用いる材料費にも使用する。また義歯形態の造形法の適合試験や強度試験を行うための治具も製作する。
|
Research Products
(1 results)