2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792260
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
諸熊 正和 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10514474)
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Keywords | 歯科補綴 / 脳波 / 脳機能 / 義歯 / 咀嚼 |
Research Abstract |
歯科補綴臨床の特徴は、咬合や咀嚼などの疾病や障害に対する治療、予防、リハビリテーションの面をあわせ持っており、歯科補綴は健康、長寿、QOL(Quality of life)に直結している。本研究の目的は、脳波データから脳内のシナプス・ニューロン機能低下を量的に推定するDIMENSION解析および、脳神経ニューロンの回復部位を同定するNAT解析を用いて、歯科補綴治療が脳機能に及ぼす影響を解明することである。 平成25年度はメインテナンス中の「全部床義歯装着者」、「部分床義歯装着者」、「インプラント上部構造装着者」の補綴物装着時と補綴物非装着時のガム咀嚼前後の脳機能の活性度および、シナプスニューロン機能の活性化部位を比較することで、補綴装置の違いが脳機能に影響を及ぼすか検討した。そして、メインテナンス中の全部床義歯装着者の義歯の咬合高径を変化させた3パターンの義歯(咬合高径5mm挙上、使用している義歯の咬合高径、咬合高径3mm低下)を製作し、それぞれの義歯でのガム咀嚼前後の脳機能の変化を評価した。ガム咀嚼による脳機能の活性化は、咬合高径5mm挙上>使用している義歯の咬合高径>咬合高径3mm低下であった。この研究結果はJ Prosthodont Resに論文報告し、掲載された。また、平成23年度から平成25年度までに測定した全部床義歯装着者の被験者を「義歯治療による疼痛の改善あり群」と「義歯治療による疼痛の改善なし群」に分けて群間比較を行い、2群間に有意差が認められたため、その結果をJOURNAL OF DENTAL SCIENCESに論文を投稿した(査読中)。さらに、全部床義歯装着者に対する義歯調整による「咬合力の増加」と「脳機能の活性度」との間に有意な相関が認められたことについてJournal of Prosthodonticsに論文の投稿をした(査読中)。
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