2013 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンスキャホールドにFGF-2を併用した新しい歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
23792266
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 昭人 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40507571)
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Keywords | 歯周組織再生 / 線維芽細胞増殖因子(FGF2) / スキャフォールド / コラーゲンハイドロゲル / 分岐部病変 / Tissue engineering / 動物実験 / ビーグル犬 |
Research Abstract |
最終年度の研究成果-観察期間が終了した実験動物を組織標本化し、昨年度に引き続き組織学的観察・計測、分析を行った。組織学的観察・計測:各部位からの切片にH.E.染色を行い、光学顕微鏡像をPCに取り込んだ後、画像解析ソフトを用いて組織再生に関する項目の計測を行った。統計分析:計測項目の平均値と標準偏差を算出後、統計処理ソフトを用いて分析を行い、その結果をもとに歯周組織再生の効果を検討した。 期間全体の研究成果-目的:当教室ではコラーゲンハイドロゲルスキャフォールドが、骨再生療法に有用であることを報告してきた。またFGF2は創傷治癒や血管新生を促進する報告がある。そこでFGF2とスキャフォールドを併用して、イヌ根分岐部II級骨欠損に埋入した場合の歯周組織再生効果を検討した。 材料および方法:コラーゲンハイドロゲルにFGF2を混和後、コラーゲンスキャフォールドに注入した。ビーグル犬の前臼歯部に根分岐部II級骨欠損を作成、露出根面をルートプレーニングした後、FGF2含有スキャフォールドを埋入した。またFGF2を含有しないスキャフォールド群、何も埋入しないコントロール群を設定した。観察期間は1週、4週とした。 結果および考察:1週においてスキャフォールドへの細胞のイングロースが観察され、FGF2は骨形成を促進した。コントロールでは肉芽組織の形成と上皮の侵入を認めた。スキャフォールド埋入4週後では歯槽骨、歯根膜、セメント質の形成が観察され、FGF2の添加は形成量を促進した。また頬舌的に形成量を分析した結果、分岐部中央だけでなく再生が起こりにくい開口部付近の形成量もコントロールと比較して大きな差を認めた。以上の結果から、コラーゲンハイドロゲルスキャフォールドの埋入は歯周組織再生に有効であり、FGF2の併用によってその効果がさらに向上することが示された。
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Research Products
(7 results)