2011 Fiscal Year Research-status Report
低弾性インプラントのメカノバイオロジーとストレスシールディング効果
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23792270
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白石 成 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60585355)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | インプラント / 低弾性 / ストレスシールディング / メカニカルストレス |
Research Abstract |
歯科インプラントは欠損補綴治療法として確立され,インプラントに関する研究は即時・早期荷重プロトコールの開発等とともに,生体と力学的に調和したインプラント体の開発という新しい領域に進んでいる.生体骨に近似した弾性率・強度を有し,インプラント体から生体骨へ伝達される応力の緩和が期待される,すなわち,生体と力学的.生物学的に調和したインプラントの開発である. 本研究は,弾性率・強度が生体骨に近似した低弾性チタン製合金を加工し,インプラント体に応用することで,メカニカルストレスによるインプラント周囲骨の動態を,ストレスシールディング効果等を勘案したメカノバイオロジカルな観点から組織学的,力学的に評価することにより,インプラント体に望まれる適切な弾性率,機械的強度に関する科学的根拠を得ることを目的とする. 本年度は,40~60Gpaの低弾性を有するTi-Nb-Sn合金を動物実験モデル用ミニインプラントに加工する方法を検討した.ミニインプラントは直径1mm,長さ2ミリのシリンダー型の試料とした.Ti-Nb-Sn合金の成型方法として,超音波カッターによる削合,線引き加工,ワイヤー放電加工による成型を試み,試料のサンプルを作製することに成功した.各々の成型方法によってTi-Nb-Sn合金自体の物性や金属表面形態にどうのうような影響を与えるか,さらにこの成型方法の違いが動物実験に与える影響を現在検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年3月11日に生じた東日本大震災の影響は避けられず,使用予定であった実験施設,実験機器等は甚大な被害を被った.これらを修理,復旧して,実験環境を整えるまでに貴重な時間が費やされた.そのため,本研究の達成度は当初予定より遅れていると認識している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,現在予備実験にて評価中のTi-Nb-Sn合金の成型方法のフィードバックから,最適な成型方法を確立し,研究計画に記載されている動物実験へ移行する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験に対する研究費の使用が増加する可能性があるが,研究費の使用計画に大きな変更点はないと思われる.
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