2012 Fiscal Year Annual Research Report
表面カルシウム修飾による歯科用インプラント材料の骨伝導性制御法の開発
Project/Area Number |
23792284
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹内 あかり 信州大学, 理学部, 助教 (40432918)
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Keywords | 骨伝導性材料 / アルミナ / アパタイト |
Research Abstract |
骨伝導性(材料が生体骨と直接結合できる性質)を示さないアルミナセラミックスに骨伝導性を付与することを目的として、アルミナを塩化カルシウム水溶液中で水熱処理を行った。水熱処理前後のアルミナ表面をX線光電子分光分析、および、走査型電子顕微鏡観察により分析した結果、塩化カルシウム水溶液中での水熱処理により表面形態は変化しないが、カルシウムイオンが結合していることが分かった。これを、人の体液環境を模倣した水溶液中に浸漬した結果、未処理のアルミナ表面に変化は観察されなかったが、Ca結合アルミナ表面には14日後に骨様アパタイトの形成が観察された。また、未処理のアルミナ、および、Ca結合アルミナ上で、骨芽細胞様細胞を培養した結果、Ca結合アルミナは、未処理のアルミナよりも、細胞接着性、増殖性にも優れ、Bone nodule形成も早期に観察された。これらの結果から、Ca結合アルミナは、生体内で骨伝導性を示す可能性が極めて高いことが示された。 未処理のアルミナ、および、Ca結合アルミナ試料について、ラット大腿骨への埋入実験を行い、4週間、8週間埋入後の大腿骨をマイクロX線CTで観察した。この結果では、現在のところ、未処理アルミナ、Ca結合アルミナともに、試料周囲への骨形成が観察されている。今後はこれらの骨試料を病理組織学的に評価するとともに、埋入初期段階における骨形成過程を調べるために、さらなる動物実験の実施が必要であると考えられる。
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