2012 Fiscal Year Annual Research Report
Th17が抜歯窩の治癒およびオッセオインテグレーションに与える影響
Project/Area Number |
23792291
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
丸尾 勝一郎 岩手医科大学, 歯学部, その他 (60593639)
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Keywords | デンタルインプラント / 抜歯窩 / IL17 / TH17 / 骨免疫学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,近年新たに発見されたT細胞サブセットであるTh17細胞(以下Th17)が,抜歯窩の治癒およびインプラントと骨の結合すなわちオッセオインテグレーションにどのような影響を及ぼすのかを明らかすることである. 初年度には,各種実験器具および機材の整備と以下のような前実験をおこなった.すなわち,Th17から産生される炎症性サイトカインであるインターロイキン‐17(以下IL-17)が生体の抜歯後の治癒組織内に存在するか否かをin vivoにて調べた.Wistar系雄性ラット(8週齢)(n=4 or 5 or 6 )の右側上顎第一臼歯を抜歯し,同一個体内で反対側同部位を対照側として1,3日,1,2,3,4週のIL-17の発現を分析・検討した.その結果,すべての部位で発現は認められなかった. そこで,次年度では骨免疫学的見地からIL-17に着目し,これらサイトカインの骨分化に及ぼす影響をin vitroで検討した.マウス由来骨芽細胞株MC3T3-E1細胞(以下MC3T3-E1)をIL-17A,IL-17F単独で添加した骨分化誘導培地にて培養し,1,3,5,7日における骨分化マーカー遺伝子のmRNA発現量および細胞数の変動をリアルタイムRT-PCRを用いて分析・検討した.さらにMC3T3-E1を各サイトカイン単独添加した骨分化誘導培地で1週間培養し,細胞数の変動を評価した.その結果,サイトカイン非添加に比べIL-17単独添加で細胞数の増加が認められた.同様に,サイトカイン単独添加した骨分化誘導培地でMC3T3-E1細胞を1,3,5,7日で培養し,骨分化マーカー遺伝子の発現量を調べた.その結果,3日においてIL-17F単独添加でオステオカルシンのmRNA発現量の有意な増加が認められた. 今後は,ウェスタンブロッティング法を用いたタンパク質の同定を行うことを検討している.
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