2012 Fiscal Year Research-status Report
骨代謝マーカー検査で顎骨のBone Qualityを評価する
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23792296
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐々木 穂高 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50433959)
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Keywords | 骨代謝マーカー / コーンビームCT / 下顎骨 / Bone Quality |
Research Abstract |
本研究の目的は、全身的なBone Quality (BQ)の評価法である骨代謝マーカー検査で顎骨のBQの評価が可能であるか、またBQがインプラントの早期脱落について相関があるかを明らかとすることである。平成23年度は、「①骨代謝マーカー検査と顎骨骨生検より評価したBQの比較検討」を主体として行ない、骨代謝マーカー検査のデータ蓄積と骨組織の採取によるサンプル確保を重点的に行なった。平成24年度では、効率的に骨組織採取を行なうため、プロトコルを一部修正し、本学倫理委員会に新たに申請し、承認を得た。現在も骨組織採取を継続的に行ない、サンプルはRNA保存液に浸漬し冷凍保存を行なっている。 2つ目の研究目的である「②BQとインプラント治療における予後との相関性を評価する」を明らかにするために術前検査より得られた骨代謝マーカー検査と放射線学的検査(パノラマX線写真、コーンビームCT)より、インプラント周囲骨吸収量と骨代謝マーカー検査との相関性について統計学的に評価をおこない、国際歯科学会(IADR)にて発表を行なった。また、現在はコーンビームCTデータから骨構造解析ソフトTRI/3D―BONを用いて骨梁構造パラメーターを算出し、骨代謝マーカー検査との相関関係について統計学的に評価を行なった。単位骨量(BV/TV),骨梁幅(Tb.Th),骨梁数(TB.N)のいずれもが骨吸収マーカーであるNTXと相関関係がみられ、多重線形回帰分析よりNTXとTb. Thとに有為性が認められた。 今後は、実験①の分子生物学的評価(RT-PCR, 免疫組織学的染色)の解析を行なうとともに、実験②と合わせて学会発表、専門誌への投稿を行なって行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験①における骨組織採取数が予定よりもやや遅れている傾向にあった。これは、異常群(骨吸収マーカーが高値)の患者数が全体的に少ないのと、内科疾患の合併や抜歯後の待時期間などの条件をクリア出来なかったこと為 もあった。現在は、プロトコルを一部変更し、各群分けを行なわず、サンプル間のバイアス等を統計学に評価することにして、サンプル数を効率的に収集することで対応を行なったことで、現在の研究進捗状況は問題はない。 実験②においては、骨代謝マーカー検査とのインプラント集遺骨吸収量との比較検討についてはデータ解析間で終了し学会発表を行なった。今後は、さらにn数を追加して、論文投稿を行なって行く予定であり、進捗状況に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
実験①「骨代謝マーカー検査と顎骨骨生検より評価したBQの比較検討」においては、骨組織採取を継続的に行ない、執刀医に昇任された医局員の追加を倫理委員会への申請をし、より効率的にサンプル採取を行なって行く予定である。また、定量的リアルタイム-PCR法で骨形成・分化関連遺伝子(オステオカルシン、Runx-2、BAPなど)の発現を計測し、統計学的に比較検討を行なっていく予定である。 実験②「BQとインプラント治療における予後との相関性を評価する」については、n数を追加して統計解析し、まとめた結果を論文投稿を行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、本研究計画の最終年度となるため、現在まで採取した骨組織からのRNA抽出、RT-PCRによる遺伝子発現検索を行なう際に、不足した分の消耗試薬の購入を行なう。また、現在までにまとめた研究結果について論文投稿を行なうための費用が発生する予定である。
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