2014 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント周囲骨の生物学的安定性に関する3次元的検証
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23792298
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
辻村 麻衣子(羽下麻衣子) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (60535219)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | インプラント / リモデリング / 細胞・組織 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラント治療の成功は、インプラント周囲骨組織の状態と密接に関わっている。したがって、インプラント周囲骨組織に着目し、インプラント周囲骨の生物学的安定性を検証することは、歯科インプラント治療を行う上で有益な情報を与えると考えられる。そこで昨年度までは、ラット上顎骨にインプラントを植立したモデルを用い、免疫組織化学的手法によりインプラント周囲骨組織を検討し、その結果、骨細胞がインプラント植立後の周囲骨治癒に関与している可能性などを示してきた。今年度は昨年度までの実験に加え、新たな手法を用いて、以下の実験を行った。 モデル動物にカルセインとアリザリンレッドの2種類の蛍光剤による骨ラベリングを施し、採取した試料をマイクロCT装置により撮影した後、樹脂包埋切片を作製した。樹脂切片を共焦点レーザー顕微鏡により観察し、インプラント周囲骨組織の蛍光ラベリング像を撮影した。その後、同切片をトルイジンブルー・塩基性フクシンにより染色し、タイリング画像取得システムによって、インプラント周囲骨組織を広範囲に撮影した。その結果、組織学的観察により、インプラントを植立した直後のインプラント周囲骨には窩洞形成面が明瞭に認められた。インプラント周囲骨組織の変化とともに、マイクロCT像からはインプラント周囲骨の経時的な治癒が明らかとなり、また蛍光ラベリング像からは治癒過程のインプラント周囲骨における活発な骨リモデリングが2次元的および3次元的に確認された。 以上のとおり今年度は、インプラント周囲骨組織のリモデリングと組織構造の変化を2次元および3次元的に解析し、様々な要素が関わるインプラント周囲骨治癒をこれまでとは別の角度から捉えることができた。
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Research Products
(2 results)