2012 Fiscal Year Research-status Report
マイクロインジェクション法を応用した歯の形態誘導プロトコールの確立
Project/Area Number |
23792299
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
筒井 健夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70366764)
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Keywords | 三次元共培養 / 口腔粘膜上皮幹細胞 / 歯髄幹細胞 / マイクロインジェクション法 / 上皮間葉相互作用 |
Research Abstract |
当該研究の目的は、口腔粘膜上皮細胞と歯髄幹細胞における三次元培養下で、マイクロインジェクション法を用いてタンパクを導入し歯の形態形成を誘導し、歯の形態誘導プロトコールを確立することである。 当該年度では、成体マウスの歯髄細胞と口腔粘膜上皮細胞の培養法の確立が計画され、歯髄細胞と口腔粘膜上皮細胞の初代培養および継代培養法を確立した。 採取された歯髄細胞は、分化誘導能を観察するため脂肪分化誘導培地および神経誘導培地を作用し、それぞれにオイルレッド陽性像と神経様細胞が観察された。また、硬組織分化能は、硬組織誘導培地を作用させアリザリンレッド陽性像を確認した。分化誘導能に用いた歯髄細胞は、幹細胞マーカーであるCD105の磁気ビーズを用いて分離を行い、分離後にフローサイトメーターよりCD105陽性細胞を観察した結果は82.06%であった。 成体マウスから採取した口腔粘膜上皮組織の組織像では、ヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色より基底細胞層が確認され、口腔粘膜幹細胞のマーカーであるp63抗体を用いた免疫染色より陽性像を確認した。さらに、口腔粘膜上皮細胞の初代培養および継代培養は、採取した口腔粘膜組織を用い行った。得られた口腔粘膜上皮細胞と歯髄幹細胞との三次元共倍培養は温度応答性培養皿とコラーゲンゲルを用いて行った。三次元共培養後には、薄切切片を作製し口腔粘膜上皮様組織像が観察された。また、p63抗体の陽性像が免疫染色法により観察された。得られた三次元共培養構築体へは、タンパク誘導による歯の形態形成をマイクロインジェクション法を用い行っている。 本研究の意義は、歯を喪失による食事や発音の際に起こる機能障害や顏貌の変化に伴う審美障害を患う患者に、安全かつ迅速に歯再生治療を行いQOLの向上に寄与することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子生物学的解析法に関しては、東京慈恵会医科大学分子生物学講座松藤千弥教授と講座の先生方にご指導とご協力を賜り行っている。また、細胞培養およびマイクロインジェクションを行うにあたり、日本歯科大学薬理学講座筒井健機教授と講座の先生方のご指導とご協力を賜り、当該研究はおおむね順調に進展しております。
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Strategy for Future Research Activity |
成体マウスの口腔粘膜上皮細胞と歯髄幹細胞の三次元共培養により得られた三次元共培養構築体へ、マイクロインジェクション法を用いて歯の形態形成を誘導し、歯の形態誘導プロトコールを確立を目指している。 その際、歯髄細胞から使用する歯髄幹細胞の分離は、磁気ビースを用いて歯の幹細胞マーカーであるScr-1とCD105共に陽性である歯髄幹細胞を分離りし、歯の形態形成の有効性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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