2011 Fiscal Year Research-status Report
新規合成バイオカップリング剤を応用した歯槽骨再生療法の開発
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23792300
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
大橋 桂 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (30350531)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | シランカップリング剤 / バイオカップリング剤 / 再生医療 / ハイドロキシアパタイト / 移植実験 |
Research Abstract |
歯周組織の再建療法は,現在,一部健康保険の適応となり一般的になりつつあるが,臨床適応は限られている。特に,歯周病により歯牙が喪失すると歯槽骨の吸収が著しく,その後の欠損補綴治療も困難となる。一方で,整形外科領域ではスキャホールドを用いた骨再建が一般的におこなわれており,歯槽骨でも同様の技術で再建されることが望まれている。本研究では,スキャホールドに用いられるハイドロキシアパタイトやβ-TCP表面と骨芽細胞の親和性を高める表面処理剤(バイオカップリング剤)を新規に合成し,骨芽細胞の細胞接着性と骨再生誘導能力を検討することを目的とした。今年度は,数種類の新規のバイオカップリング剤の合成を試みた。各出発物質から溶媒にテトラヒドロフラン,触媒に塩化白金(IV)酸テトラヒドロフラン溶液を加え,トリメトキシシランを攪拌しながら徐々に加えた。その後,20時間環流し,減圧留去後,減圧蒸留し最終生成物である各種新規バイオカップリング剤が得られた。その結果,1,3-ジアリル尿素から1,3-DAU6Mを,マレイミドからMI3Mを,アロマバルビタールからAB6Mを,イソシアヌル酸ジアリルからDI6Mを,イソシアヌル酸トリアリルからTI9Mをそれぞれ得ることに成功した。得られた生成物の同定は1H-NMR,FT-IRおよびMassの各スペクトルにより行った。以上より,ハイドロキシアパタイト表面を改質し骨芽細胞の細胞接着性が期待できる新規のバイオカップリング剤を合成することができた。今後はin vitroによる細胞接着性の評価とin vivoによる骨形成能の評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,今年度中に新規バイオカップリング剤の合成と同定を終え,合成されたバイオカップリング剤の基礎的評価を進める予定であった。新規バイオカップリング剤は5種類合成が終わり,現在,継続して基礎的評価を行っている。よって概ね研究計画通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ,研究計画通りに概ね進んでいるので次年度も予定通りに進めて行く。in vivoによる骨形性能の評価は,移植実験を行うため十分に余裕をもって実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度備品購入を予定していた器材が新旧入れ替えのため当初予算額より費用を抑えて購入できたため次年度繰越金が発生した。このため次年度では,概ね計画通りに研究が進行しているので,研究計画されている免疫不全マウスを用いた実験を余裕をもって進めることができる。移植実験用マウスの頭数を増やし,in vivoの試料数を多くすることにより信頼の得られる実験データを出すことを考えている。
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Research Products
(9 results)