2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘミクリプトファンによるフッ素徐放性の高効率化とコンポジットレジンへの応用
Project/Area Number |
23792302
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
牧田 佳真 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30454573)
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Keywords | ヘミクリプトファン |
Research Abstract |
従来のフッ化物イオン徐放性修復材料はフッ化物イオンをう蝕予防に有効な濃度で持続的に徐放し続けることは困難であり、補充に高濃度のフッ化ナトリウム水溶液が必要であった。そのため、う蝕予防効果を発揮する十分な徐放性と補充性を有するフッ化物イオン徐放性修復材料の開発が望まれている。我々はこれまでに中空構造の共有結合型の有機分子であるヘミクリプトファンを開発した。ヘミクリプトファンは空孔内部に金属イオンや小分子を取り込むスペースを有していることをこれまでに明らかにしている。そこで本研究では、このヘミクリプトファンの空孔内部にフッ化物イオンを取り込ませることにより、高効率なフッ化物イオンの徐放性及び補充性を示す修復材料を開発することを目的とした。 前年度までに様々な金属塩を包接可能な中空構造のサイズが異なるヘミクリプトファンを新たに合成しその構造決定を行った。得られた新たなヘミクリプトファンにコバルトイオンを内包させX線結晶構造解析を行ったところ、中空構造内にコバルト以外に二種類の小分子を取り込むことを明らかにした。 本年度では、ヘミクリプトファンを修復材料に応用するために必要な溶剤に対する溶解性の向上を検討した。その結果、ヘミクリプトファンの側鎖のメトキシ基をトリフラート化やアルキル化することに成功し、得られたヘミクリプトファンは様々な有機溶媒に対する溶解性を示すことが明らかとなった。また、ヘミクリプトファンのアミノ基を官能基化することにも成功し、有機溶媒だけでなく、水溶媒にも可溶なヘミクリプトファンを開発した。
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