2011 Fiscal Year Research-status Report
新規遺伝子ネットワークを利用した細胞周期制御と免疫機構賦活化による癌治療法の開発
Project/Area Number |
23792309
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
榊 宏剛 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90374850)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | RIG-I / 口腔癌細胞 / 細胞周期 |
Research Abstract |
RIG-I(retinoic acid-inducible gene-I)はその機能はいまだ明らかにされていない新規の遺伝子である。申請者は過去に行った検討によって、同遺伝子が口腔内の感染防御機構に重要な役割を果たし、さらに口腔癌由来細胞株の細胞周期制御に深くかかわっていることを明らかにし、報告した。そこで、申請者は本研究で新たな癌抑制遺伝子の可能性を有した同遺伝子を用いて口腔内の免疫機構を賦活化させ、さらに癌細胞の細胞周期を制御することによる、遺伝子治療としての新たな癌治療法の可能性に着目し、検討を進めることとした。 口腔癌由来細胞株としてCa9-22(歯肉癌由来細胞株)を継代培養した。既存の抗癌剤等で刺激、およびRIG-I遺伝子を細胞内に導入し、RNAまたは蛋白を回収。この際、随時、定量的RT-PCRおよびウエスタンブロッティングを施行し、癌細胞株に対し細胞周期抑制効果が期待できる至適な刺激条件を検討した。 また、過去の検討ではRIG-Iの感染防御機構検討の際にウイルスによる刺激はRNAウイルスを疑似的に検討したのみであったが、本年からはdsDNAを用いてDNAウイルス感染も疑似的に検討している。 今後、自然免疫アレイを施行しRIG-Iの感染防御機構について、特にDNAウイルス感染に対して検討し、同機構が細胞周期抑制による抗癌治療に関与する可能性を過去に行ったパスウェイ解析と併せて包括的に検討を行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災後、政府から電力使用制限の要請があり、当研究機関においてもこの要請に対して積極的に協力したものである。このため、培養系の継時的な検討の遅れが生じたが、研究計画の変更は最小限にとどめ、次年度に繰り越しての研究が十分可能と考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の大幅な変更はなく、申請書の予定通り研究を進めるものである。 ただし、上記の理由で若干の研究達成度の遅延があるため本年度に繰り越して行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の大幅な変更はなく、申請書の予定通り研究をすすめるものである。 ただし、上記の理由で遅延した研究については、研究費を使用せず繰り越したため、次年度の研究遂行において資金的に問題は生じない。
|