2012 Fiscal Year Research-status Report
オーファン受容体を標的とした気道リモデリング阻止機構の解明と臨床応用
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23792311
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水田 文子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (30396501)
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Keywords | オーファン受容体 / 気管支喘息 / 気道リモデリング / 気管平滑筋 / 気管上皮 |
Research Abstract |
本年度は、オーファン受容体GPR40を介した気道リモデリング機構と、各種細胞内シグナルのリン酸化を中心に検討を行った。 1.オーファン受容体GPR40の気道リモデリング機構の評価 オーファン受容体GPR40が属す、Gq蛋白共役型受容体群は、気道リモデリングを促進させるとされている。そこで、オーファン受容体GPR40の天然リガンドである長鎖脂肪酸(オレイン酸、リノレン酸)、GPR40及びGPR120の選択的アゴニストであるGW9508を24時間投与した場合の、気道リモデリング作用について、CyQUANT Cell Proliferation Assay Kitを用いて、細胞増殖作用を評価した。その結果、2%ウシ胎児血清投与により生じるヒト気管平滑筋細胞の増殖作用は、オレイン酸、リノレン酸、GW9508の投与により、葯20%程度増大した。 2.Akt, p38リン酸化の測定 昨年度、本研究により、オレイン酸、リノレン酸により生じるヒト気管平滑筋細胞内のERKリン酸化作用を明らかにしたが、GPR40が属すGq蛋白共役型受容体は、MAP kinaseのみならずAktリン酸化やp38リン酸化にも関与し、気道リモデリングを促進するのとされている。そこで、ヒト気管平滑筋細胞に、オレイン酸を投与した場合のAktリン酸化及びp38リン酸化を、Western blot法にて測定した。その結果、オレイン酸投与によりAktリン酸化やp38リン酸化が生じた。またこれらの反応のピークは、オレイン酸投与の5-10分後に生じた。次年度はこれらの結果を元に、更に詳細にわたって研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、オーファン受容体GPR40を介した気道リモデリング機構と、各種細胞内シグナルのリン酸化を中心に検討を行ったが、他のオーファン受容体の発現スクリーニングは遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、GPR40のみならず他のオーファン受容体の発現スクリーニング、及びその気管支喘息抑制作用機序の詳細について、検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、主に消耗品費(試薬/抗体類)及び調査研究旅費(本研究はコロンビア大学医学部麻酔科学講座との共同研究である)に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)