2012 Fiscal Year Annual Research Report
副甲状腺ホルモン受容体PTHR1の発現抑制による口腔癌転移の制御
Project/Area Number |
23792313
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 仁 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70372323)
|
Keywords | 口腔癌 / 遺伝子 / 転移 / ホルモン受容体 |
Research Abstract |
【本年度研究目的及び方法】I.口腔癌組織標本におけるPTHR1免疫染色を行い正常組織と比較する。II. PTHR1高発現口腔癌細胞株を樹立後、副甲状腺ホルモン関連蛋白PTHrPを定量し細胞増殖能について評価を行う。III.ヌードマウスに移植可能なヒト口腔癌細胞株でもPTHR1高発現株を樹立しPTHrPを定量後、細胞増殖速度及び転移を生じるまでの期間と転移臓器の特異性について検討する。IV. 樹立したPTHR1高発現癌細胞株に対しRNAiにてPTHR1活性を抑制し、その細胞増殖速度及び転移能が制御されるかどうかを比較する。【前年度結果】I.口腔癌細胞株においてPTHR1の発現をmRNA、蛋白レベルで検出した。これらの発現量は口腔扁平上皮細胞と比較し有意に高レベルであった。II.一方で口腔癌高転移株群と低・非転移株群との間では、PTHR1発現レベルの有意差は認められなかった。【本年度結果】I.口腔癌組織における免疫染色でも正常組織と比較しPTHR1の高発現が認められた。II.更に転移症例において非転移症例と比較しPTHR1発現量は有意に高レベルであった。III.PTHR1高発現口腔癌細胞株を樹立した。この内PTHrPの発現量が高いPTHR1高発現株では細胞増殖速度の増大が認められた。 【結論】 I.口腔癌組織においても正常組織と比較しPTHR1の高発現が確認された。更に転移症例における発現は非転移症例と比較し有意に高レベルであった。II.PTHR1高発現口腔癌細胞株において、PTHrPの発現量がupした細胞株では細胞増殖速度の上昇が認められた。 【以後の研究展開】 PTHR1高発現口腔癌細胞株をヌードマウスに移植し、細胞増殖速度及び転移能について検討する。次にRNAiにてPTHR1活性を抑制しこれらが制御されるかどうか検討後、転移巣に対してもPTHR1のRNAiが奏功するかどうか検討する。
|