2012 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔領域の放射線障害に対する幹細胞治療確立に向けた戦略的基礎研究
Project/Area Number |
23792319
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
阿部 成宏 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (00510364)
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Keywords | 幹細胞 / 分化 / Neurosphere / Tissue engineering / 歯髄幹細胞 / 口腔粘膜固有層幹細胞 / 神経堤幹細胞 / 骨再生 |
Research Abstract |
本研究では歯髄幹細胞、口腔粘膜幹細胞を今までの申請者が行ってきた幹細胞学的手法によって、In vivoでの局在を同定し、その細胞を単離し、性状解析を行う事を目的として実験を遂行した。 ヒト歯髄幹細胞に関しては、以前の研究において放射線生物学的検討を行い、放射線照射に対する生物学的応答を明らかにした(S. Abe et al. Stem Cell Res Therap, 2011.)。その中で、無血清培地下でSphere形成をする歯髄由来の神経堤幹細胞様細胞を単利することに成功した。本研究では、その細胞集団を幹細胞生物学医的に詳細に検討し、それらが、神経堤幹細胞マーカーを発現していることをWestern blotting法を用いて明らかにした。また、単層培養とSphere形成細胞では、表面マーカーが異なることを見出し、報告することができた(S. Abe et al. Cell Biol Int, 2012)。 ヒト口腔粘膜由来の幹細胞実験では、本学歯学部付属病院の倫理審査委員会へ申請書を提出し、承認された。あらゆる年代のインフォームドコンセントが得られた患者から口腔粘膜組織を採取し、安定した細胞培養法を確立した。さらに、1つの口腔粘膜組織から、上皮と間葉を完全に分ける培養法を確立した。これらの細胞のうち、粘膜間葉細胞から、無血清培地下でNeurosphere法を用いてSphere形成させ、幹細胞様細胞を単利させることに成功した。これらは、適切な条件下で骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、神経細胞系統へと分化誘導でき、3D OPLA scaffold(BD Bioscience)に播種し分化誘導させたOPLA/OMSFCs複合体は、免疫不全マウスの皮下組織にて骨形成を確認した。
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