2011 Fiscal Year Research-status Report
11q13.3領域遺伝子増幅と口腔がんストレス応答骨破壊機構
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23792321
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 圭一 東京医科歯科大学, 硬組織疾患ゲノムセンター, 特任講師 (10396971)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔がん / 骨破壊 / ゲノム増幅 / ストレス応答 / 11番染色体 |
Research Abstract |
FADDを中心とした11q13.3領域遺伝子の機能解析を、口腔がん由来培養細胞における遺伝子組み換え変異型分子強制発現系を用いてがん発生機序およびがんストレス応答骨破壊機構を明らかにし、また、網羅的にゲノム構造異常を解析することにより、FADDのみならず11q13.3領域遺伝子の中で新たに重要であると予測される遺伝子についても検討する。結果として、口腔がんにおける骨浸潤およびリンパ節転移の予測マーカー分子、治療標的分子を抽出することを目的としている。【11q13.3領域遺伝子の強制発現系における生と死への影響】 11q13.3領域遺伝子の一つであるFADDの全長cDNAをクローニングし、発現ベクターにサブクローニングを行った。この発現ベクターを用いて目的の分子が発現していることを確認する。その後に核移行シグナルやリン酸化部位の変異体を作製し、増殖、あるいは細胞死への関与を検討する。この際、これまでの研究ですでに11q13.3領域の増幅がないことが判明している細胞SKN3, ZAなどを用いることによって、より生理的な遺伝子増幅の影響を検討できると考えられる。【遺伝子プロファイルデータを用いた11q13.3領域遺伝子の発現解析】 これまで蓄積してきた口腔がん、前がん病変のマイクロアレイ解析による発現データから11q13.3領域遺伝子およびMAPキナーゼ経路分子を抽出している。また、口腔がん切除標本のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックからDNAを抽出し、CGHマイクロアレイ解析を実施し、11q13.3領域の増幅を確認している。CGHマイクロアレイ解析の症例を増やすことで、11q13.3領域中の詳細な増幅範囲が絞り込まれ、11q13.3領域中でがんの発生、性質に関与する遺伝子の同定が可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
11q13.3領域遺伝子の一つであるFADDの全長cDNAをクローニングし、発現ベクターにサブクローニングを行ったが、cDNAの構造上PCR反応が不完全で、全長のクローニングに時間を有した。
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Strategy for Future Research Activity |
【11q13.3領域遺伝子の強制発現系における生と死への影響】 11q13.3領域遺伝子の一つであるFADDが発現していることを確認する。その後に核移行シグナルやリン酸化部位の変異体を作製し、増殖、あるいは細胞死への関与を検討する。この際、これまでの研究ですでに11q13.3領域の増幅がないことが判明している細胞SKN3, ZAなどを用いることによって、より生理的な遺伝子増幅の影響を検討できると考えられる。【遺伝子プロファイルデータを用いた11q13.3領域遺伝子の発現解析】 CGHマイクロアレイ解析の症例を増やすことで、11q13.3領域中の詳細な増幅範囲が絞り込まれ、11q13.3領域中でがんの発生、性質に関与する遺伝子の同定が可能になると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CGHマイクロアレイ解析の症例を増やすために、主にCGHマイクロアレイキット等の消耗品に研究費を使用する。また、途中経過を含めた成果発表をしていく。
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