2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己血漿と骨髄間葉系幹細胞を併用したハイブリッドマテリアルによる骨再生療法の検討
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23792324
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
丸川 恵理子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40419263)
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Keywords | 骨再生 / 自己血漿 / 幹細胞 |
Research Abstract |
自己血漿中の構成成分の違いによる骨形成能の比較を行うにあたり、ビーグル成犬の抜歯窩治癒過程を検討した。PPP、PRP、PRFをそれぞれ抜歯窩に填入し、対照として無処置群を加えた4群で術後4週、8週で比較した。SEMによるフィブリンの形態はPPPとPRPが疎な網状構造を呈していたが、PRFは密な束状を呈しており、フィブリン重合がより強度である可能性が示唆された。抜歯窩欠損歯肉の上皮化までの平均日数はPRF群、PRP群、対照群、PPP群の順に短い傾向を示した。術後4週における抜歯窩の新生骨面積はPPP群が最高値を示し、PPP群とPRF群がPRP群、対照群に比べて有意に高い値を示した。術後8週においても新生骨面積はPPP群が最大値を示した。PRP群、PRF群は高濃度の成長因子の作用により抜歯窩の上皮化が早いと考えられた。歯槽頂部での骨の形成に関してはPRP群は促進されなかったが、PPP群、PRF群では対照群に比べて骨形成が促進された。抜歯窩内部の骨の成熟はPRP群、PRF群の方が明らかに早く、作用部位の環境によって成長因子の効果が異なる可能性が示唆された。 また、ビーグル犬の濃縮骨髄穿刺液の骨誘導能についても検討した。背部筋肉内にβ-TCPに濃縮骨髄穿刺液を含侵させ移植した濃縮骨髄群、β-TCPに骨髄穿刺液をそのまま含浸したものを移植した骨髄群、β-TCPをそのまま移植したTCP群で比較した。濃縮骨髄群の骨髄細胞数は骨髄群と比べて平均4.9倍に増加していた。移植後3週6週共に新生骨面積は濃縮骨髄群が最大値であり、TCP群では最小値であり、濃縮骨髄群とTCP群間で差が認められた。今回の方法は濃縮骨髄穿刺液に含まれる幹細胞が濃縮され、フィブリンを足場に異所性骨誘導能を有しているという結果が示唆された。
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Research Products
(7 results)