2013 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節滑膜組織における疼痛の発現とその調節機構の解明
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23792325
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池田 順行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70419282)
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Keywords | 顎関節 / 滑膜組織 / 顎関節症 |
Research Abstract |
顎関節症患者の疼痛は、関節円板の転位による周囲組織への侵害刺激であると考えられているが、顎関節滑膜に組織学的変化が起こり、疼痛関連因子が発現されているとされる仮説も存在する。本研究は、顎関節症患者の滑膜組織の変化を経時的に検索し、顎関節症患者の疼痛に滑膜組織がどのように関与しているかを明らかにすることを目的とした。 まず正常顎関節滑膜組織がいかなるものかを明確にすべく、発生学見地から観察を行った。生後1目では、上関節腔表層に扁平なHsp25陽性の滑膜B型細胞の出現がみられ、生後3日目では、滑膜表層に配列する細胞に加え、やや深部に存在し細胞質突起を関節腔に向けて伸ばすHsp陽性B型細胞胞も確認された。生後7日目ではHsp陽性B型細胞はその数を増して細胞内小器官を充実させ、滑膜表層はB型細胞の細胞体や細胞質突起によって覆われるようになった。生後15日目では滑膜表層のHsp陽性B型細胞が重層化し、滑膜ヒダ側面を扁平な陽性細胞がシート状に覆うようになった。生後30日目では生後15日目および生後50日目と大きな組織学的変化は観察されず、これらの日齢あたりの滑膜組織がいわゆる正常の滑膜組織の像であることが確認された。その後、本週齢のラットにおいて、強制過大開口を与えた異常顎関節モデルについて観察を行ったが、予想に反し、異常顎関節モデルの滑膜組織と正常顎関節滑膜組織に、組織学的な違いは見いだされなかった。機械的刺激である過大開口のみでは、滑膜組織に変化が生じず、正常と異常の直接的比較は不可能であったが、顎関節滑膜組織の発生と正常構造は明らとなったため、今後は異常顎関節モデルの作成に改良を加え、引き続き検討を続けていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] ITGA3 and ITGB4 expression biomarkers estimate the risks of locoregional and hematogenous dissemination of oral squamous cell carcinoma2013
Author(s)
Nagata M, Noman AA, Suzuki K, Kurita H, Ohnishi M, Ohyama T, Kitamura N, Kobayashi T, Uematsu K, Takahashi K, Kodama N, Kawase T, Hoshina H, Ikeda N, Shingaki S, Takagi R
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Journal Title
BMC Cancer
Volume: 13
Pages: 410
Peer Reviewed
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[Presentation] 口腔底腫瘍2013
Author(s)
山崎 学, 程 君,丸山 智, 阿部達也, 池田順行, 永田昌毅, 高木律男, 西山秀昌, 林 孝文, 朔 敬
Organizer
第24回日本臨床口腔病理学会総会・学術大会
Place of Presentation
東京都
Year and Date
20130828-20130830
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[Presentation] 腫瘍を疑わせた顎関節炎の1例2013
Author(s)
安島久雄, 池田順行, 嵐山貴徳, 齋藤太郎, 荒井良明, 河村篤志, 西山秀昌, 阿部達也, 朔敬, 高木律男
Organizer
第26回日本顎関節学会総会学術大会
Place of Presentation
東京都
Year and Date
20130720-21
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