2011 Fiscal Year Research-status Report
頭位,開口および鎮静深度が呼吸・嚥下機能に及ぼす影響について
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23792334
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
花本 博 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50397733)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 鎮静 / 嚥下 / 頭位 / 開口 |
Research Abstract |
目的:歯科治療のための開口器の使用や,頭部の前後屈が,嚥下のしやすさに影響を及ぼし,咳反射の発生に関わっている可能性がある.仰臥位での開口と頭部の前後屈により,嚥下のしやすさが変わるかどうかを調べた.方法:開口量および頭位を変化させ,飲水テストを行った.飲水テストは,口腔内に滅菌水10mlを注入し,5秒間保持させたのち,嚥下を1回行うように指示することにより行った.嚥下終了後,口腔内に残った滅菌水の量を6Fr吸引カテーテルおよび20ccシリンジを用いて吸引し,残量(重量)を測定した.開口量(0mm,20mm,30mm,40mm)および頭位(-20°:頭部後屈,0°:水平,+20°:頭部前屈)の各段階において調べた.結果:開口量0mmおよび40mmの時,頭位の変化による有意差は認められなかった.開口量20mmおよび30mmの時,後屈位は水平位および前屈位に比べて有意に口腔内残量が増加した(とくに開口量30mm).各頭位において,開口量20mm以上では,有意に口腔内残量が増加した.後屈位では,開口量20mm以上では口腔内残量に変化が認められなかった.水平位および前屈位では,開口量の増加に伴い,口腔内残量が増加した.考察:通常の歯科治療における開口時には後屈位は嚥下能が低下すると考えられる.開口器の使用により,嚥下能が低下する.また,後屈位では,開口することで嚥下能はほぼ同程度に低下するが,水平位および前屈位では,開口量の増加に伴い嚥下能が低下するため,開口量を少なく維持するほうが,嚥下能を維持することができると考えられた.今後,筋電図変化の解析を行っていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
頭位と開口量の変化による嚥下能の変化について,水飲みテストによる結果を出すことができた.しかし,平成23年7月に交付額の減額変更の可能性についての連絡があり,全ての研究課題で分割払いが行われることとなったため,当分の間,予定額の7割しか使用できず,研究の進行が遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
頭位と開口量の変化による筋電図変化を調べる.また,頭位(後屈,水平,前屈),開口(開口器あり,開口器なし),鎮静深度(鎮静なし,0.5μg/ml, 1.0μg/ml,1.5μg/ml)の各項目を変化させたときの嚥下および呼吸機能を評価する.嚥下機能は,水のみテスト時の水分残量および筋電図分析により評価する.呼吸機能は,一回換気量,分時換気量,呼吸回数,SpO2により評価する.同じ条件で嚥下および呼吸機能を評価することにより,嚥下と呼吸のバランスが破綻する頭位,開口,鎮静深度の組み合わせを調べる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の遅れから,当初予定していた鎮静薬による実験を次年度に行うことになったため,23年度の研究費に未使用額が生じたが,24年度には鎮静薬を購入し予定された研究を実施する.具体的には,薬品(プロポフォール,生理食塩水,蒸留水),モニター関連消耗品(心電図電極,BISセンサー),シリンジ,針,輸液セット,留置針,延長チューブ,吸引カテーテル,アルコールワッテなどの消耗物品を中心に研究費の使用を計画する.また,研究成果を学会にて報告する経費として旅費を,誌上発表するための経費として英文校閲費などを予算に計上する.
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