2013 Fiscal Year Annual Research Report
頭位,開口および鎮静深度が呼吸・嚥下機能に及ぼす影響について
Project/Area Number |
23792334
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
花本 博 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50397733)
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Keywords | 嚥下 / 頭位 / 開口 |
Research Abstract |
前年度までに、意識下における開口および頭位が嚥下機能に与える影響について、筋電図を用いてデータを出した。その内容をもとに、鎮静下での嚥下機能の評価を検討した。頭位によっても嚥下機能が変化するが、とくに開口によって嚥下機能が大きく低下するため、ボランティアを対象とした鎮静下での研究の実施に関しては、倫理的な側面を再検討する必要があると考えた。 とくに、意識下と同様の水飲みテストを鎮静下で行うことは困難であると判断した。また、開口状態での水飲みテストは、意識下での嚥下機能が、研究前の予想よりも著しく低下していたため、誤嚥のリスクを考慮し、水飲みテストとは別の評価法を検討する必要があると考えた。したがって、継続の研究として遂行するのは困難と判断し、意識下での水飲みテストのデータを見直し、成果として発表することとした。 意識下における開口および頭位が嚥下機能に及ぼす影響についてのデータ評価するにあたって、頭位および開口状態という二つの要因による反復測定を行ってたため、統計学的な解釈を再検討する必要があった。統計学的な有意差の判定に関して十分に検討し、2要因の反復測定分散分析を行い、要因間の交互作用を評価した後に、要因内での有意な変化に注目した。統計解析ソフトにはSPSSを用いた。頭位および開口はともに嚥下機能を低下させることが判明した。さらに、頭部後屈位は嚥下時間が延長させ、開口状態は筋電図における最大振幅を抑制させることに関連していることが判明した。この結果は、一般歯科診療において、頭位や開口器の使用に配慮が必要であることを示唆する。 本研究の成果を英文雑誌に投稿し(Journal of Oral Rehabilitation, 2014)、受理された(2014.3.23)。
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