2011 Fiscal Year Research-status Report
口腔顔面領域における神経因性疼痛メカニズムと神経栄養因子の関与の解明
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23792336
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
大山口 藍子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 環境影響部門, 臨床研究員 (70464237)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 神経因性疼痛 / 神経栄養因子 / 免疫組織化学染色 / 疼痛関連行動 |
Research Abstract |
三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)において、2つのC線維の侵害受容動態の違いを明らかにするため、23年度の計画では、サポリンを用いてペプチド性C線維と非ペプチド性C線維の選択的削除法を検討すること、さらにサポリンを大槽へ注入し、ペプチド性C線維の経路を遮断した場合と、非ペプチド性C線維を削除した場合のラットでの上口唇へのホルマリンテストから疼痛関連行動(PRB)を観察した。ホルマリンテスト2時間後、動物を還流固定し、脳を取り出し免疫組織化学染色により延髄後角でのホルマリン誘導c-Fos免疫陽性細胞数をカウントした。結果、非ペプチド性C線維を削除したラットではホルマリン誘導PRBの第2相(ホルマリン注射後15~30分)がコントロール群に比べて有意に増加した。ペプチド性C線維を削除したラットではホルマリン誘導PRBの第2相はコントロール群に比べ有意に減少した。Vcのc-Fos免疫陽性細胞の楕円から円形の核は黒色に均一に標識された。標識細胞の多くはVcの尾側の(閂より1.5-2.4mm尾側)に分布した。またコントロール群におけるc-Fos陽性細胞はVcI/IIの腹外側半分に密集して分布した。非ペプチド性C線維を削除したラットではc-Fos発現数はコントロール群に比べて、有意に増加した。また三叉神経節のIB4陽性神経細胞体数もコントロール群に比べて有意に減少した。ペプチド性C線維は促痛に、非ペプチド性C線維は抑制系に関与しているという我々の予測であるが、2種のC線維の機能の違いを明らかにすることができれば、神経障害性疼痛のメカニズムに迫ることができると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度の計画であるペプチド性C線維および非ペプチド性C線維の選択的削除法に関してはVcでのNK1陽性細胞、三叉神経節でのIB4陽性細胞数を定量し、死滅させていることを確認できた。また、ホルマリンテストによる疼痛関連行動を観察し、2種の線維の侵害受容動態が異なることがわかり、ほぼ予備実験から予測された結果をえている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、4-methylcatecholの神経栄養因子の誘導剤を用い、疼痛の進行過程と脊髄グリア活性の変化を明らかにするため、延髄後角のGFAP、S100β、Iba1の免疫組織化学法を用い、陽性細胞数を定量する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物はSD系ラットを用いてサポリンを注入し、神経障害性モデルラットを作製し、さらに4-methylcatecholの神経栄養因子誘導剤でNGF、BDNFを分泌促進させ、VcでのGFAP、S100β、Iba1の免疫組織化学染色を行い、定量するためこれらの試薬が必要となる。
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