2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792348
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土井 充 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (30412620)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 舌痛症 / 脳機能画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
舌痛症は、口腔顔面痛外来を受診する患者において最も多い疾患の一つである。その病態については、微細な神経障害性疼痛や心理社会的要因によるものなど諸説あるが明確ではなく、治療法も一様ではない。また長期慢性化し難治性となるもの、日常生活に多大なる支障をきたす場合も多く、その病態理解と、治療法確立は急務であると考えられる。また長期慢性化した疼痛疾患患者では、痛みは身体的要因のみならず社会・心理的側面と密接に関連し、その評価と治療にあたっては、新たな評価法が必要である。 本研究ではこれらを解明するために,心理質問紙による患者の認知特性について評価、検討を行い、さらに、情動下における物理的刺激課題を用いた状態でのfunctional-MRI撮像により脳活動の違いを評価・検討した。 心理質問紙による検査では、患者群では、破局的思考(不安・無力感・拡大視)、特性不安、特性怒り、怒りの抑制、怒りの表出、認知的不安、逃避回避、恐怖が有意に高く、これらの認知特性が非器質的な舌痛のひとつの誘因になっている可能性が示唆された。 functional-MRIによる情動・物理刺激課題としては、怒り顔の表情写真と電気刺激を組み合わせた課題を行った。健常ボランティア群でも患者群でも、怒り顔の表情写真によって不安、怒りなどの感情が惹起され、主観的な痛みも増強し、脳活動としても、前帯状回や前頭前野、視床の活動が高まることが判ったが、患者群で、より情動刺激に伴い痛みが強くなることが判った。 この結果より、舌痛症患者は感情の変化に伴い、痛みの増強が起こりやすい可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)