2012 Fiscal Year Annual Research Report
鉄イオン遊離に関与する還元物質の解明と酸化ストレスに対する局所麻酔薬の影響
Project/Area Number |
23792350
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 和美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20325286)
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Keywords | 鉄イオン / フェリチン / 還元 / 局所麻酔薬 |
Research Abstract |
昨年度:20mM phosphate buffer(3ml, pH 7.4)中にフェリチン(2μM),Batho-phenanthroline(20μM)、NADPH-cytochrome P-450 reductase(10μg),NADPH(100μM)を添加し,分光光度計により535nmで吸光度を測定した。10分間の吸光度の変化量を求め.ε535 = 22.1 × 10-3/M/cmにより遊離した鉄イオンの濃度を求めた。その結果, 2.71 mMのFe2+が遊離した。[Fe[CN]6]を含む鎖塩であるフェリシアニドを添加すると,Fe2+遊離は増加した(8.58 mM)。cytchrome-Cを添加すると,Fe2+遊離はより増加した(34.29 mM)。同様の実験系にSOD(10μM)を添加すると,影響がみられなかった(2.55 mM)。20mM phosphate buffer(3ml, pH 6.4)を使用し同様の実験を行った。pH7.4と比較して、Fe2+の遊離が増加した(3.23 mM)。 最終年度:上記と同様の系でNOS2がフェリチンからの鉄イオン遊離に対して与える影響について検討した。その結果,NOS2存在下で鉄イオン遊離が増加した。これは,NOSの基質であるL-アルギニンを加えることにより影響を受けなかった。また,LPSによりNOS2を誘導した培養血管内皮細胞を使用し,産生されたNOを測定した。NO産生量は局所麻酔薬により抑制された。 以上から,鉄貯蔵蛋白からの鉄イオン遊離には,NADPH-cytochrome P-450 reductaseおよびNOS2が還元物質として関与することが明らかとなり,これらによる鉄イオン遊離はSODを添加することで影響を与えなかった。培養細胞における酸化ストレスに対して局所麻酔薬の関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)