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2012 Fiscal Year Research-status Report

口腔扁平苔癬の発症および病態形成に関わるT細胞ネットワークの解析

Research Project

Project/Area Number 23792354
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

林田 淳之介  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80432920)

Keywordsサイトカイン / 口腔扁平苔癬 / Th1 / Th2 / Th17
Research Abstract

口腔扁平苔癬(OLP)は、口腔粘膜に角化異常を伴う慢性炎症性疾患であり、基底膜直下へのT細胞を主体としたリンパ球浸潤を特徴とする。今回われわれは、ヘルパーT (Th)1、Th2に加えて、近年自己免疫疾患や慢性炎症疾患において病態形成との関連が報告されているTh17や制御性T細胞(Treg)に注目し、それらのThサブセットについても検索を行った。
【材料および方法】当科を受診した両側頬粘膜に発症した網状型を呈したOLP患者21例(男性3例、女性18例、平均年齢64.1歳)および
健常者16例(男性3例、女性13例、平均年齢61.1歳)を対象とした。これらの症例の生検材料を用いて、real-time PCR法および免疫組織化学染色法により、それぞれのThサブセットが産生するサイトカインおよび特異的な転写因子の発現について検索を行った。
【結果】OLP患者は健常者と比較して、Th1、Th2およびTh17タイプの関連分子の発現が亢進していたが、Tregタイプについては有意差を認めなかった。Th17について注目すると、IL-17は上皮直下に浸潤したリンパ球に発現の亢進を認め、IL-23は角化亢進が著明な基底層に加え上皮全層および上皮直下のリンパ球に発現の亢進を認めた。またTh2タイプのIL-33は粘膜基底層に発現を認めた。
【考察】これらの結果より、Th1に加えTh2とTh17の発現がOLPの病態形成に関与しており、さらにIL-23の発現を誘導することで、上皮の角化が亢進することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

口腔扁平苔癬において、T細胞が産生するサイトカインやThサブセットの選択的な遊走・集積に関連するケモカイン・ケモカインレセプターの発現について解析を行ってきた。なかでもTh1、Th2タイプのサイトカインに絞ると、OLP病変局所におけるその局在は明らかになったことが多くある。しかし、サイトカイン等を発現する細胞の同定まで至っていない。そこで本研究では、OLPの病態形成に関わる分子機構を明確なものにするために、最終的にはLaser Capture microdissection (LCM) 法を用いて、病変局所でのサイトカイン・ケモカイン・ケモカインレセプターを発現する細胞を解析する予定である。
現在のところ、Real time PCR法、免疫組織化学染色法を用いた解析ではある程度の結果が出ており、当初の計画どおりの進捗状況である。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、OLPの病態形成に関わる分子機構を明確なものにするために、Laser Capture microdissection (LCM) 法を用いて病変局所の詳細なサイトカイン・ケモカイン・ケモカインレセプターの発現の解析と、さらにThサブセットのついては、Th1/2、Treg、Th17
からなるOLP病態形成T細胞ネットワークをLCM法、Real time PCR法、免疫組織化学染色法を用いて解析する予定である。
また、最近わかってきたIL-33であるが、Th2タイプのサイトカインであるということが報告されてきており、本研究でもその発現を認めているため、ネットワークに関与することが示唆されている。本年度は、Real time PCR法、免疫組織化学染色法に加え、LCM法を用いた解析を行うこととする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

Real time PCR法と免疫組織化学染色法に必要なPCR用プライマーならびに免疫染色用の抗体を購入する。またそれらの報告と、あらたな見識を深めるために、学会等に参加する費用を支出する予定である。
最終年にあたる年度のうちに論文の作成にとりかかり、出版にかかる経費に使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Possible involvement of cytokines, chemokines and chemokine receptors in the initiation and progression of chronic GVHD.2013

    • Author(s)
      Hayashida JN, Nakamura S, Toyoshima T, Moriyama M, Sasaki M, Kawamura E, Ohyama Y, Kumamaru W, Shirasuna K.
    • Journal Title

      Bone Marrow Transplantation

      Volume: Jan;48(1) Pages: 115-23

    • DOI

      doi: 10.1111/j.1365-2249.2012.04587.x.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 当科過去 5 年間における2012

    • Author(s)
      古川 祥子,林田 淳之將,久保 慶朗,豊嶋 健史,森山 雅文,田中 昭彦,前原 隆,大山 恵子,家田 晋輔,中村 誠司
    • Organizer
      第 79 回 日本口腔外科学会九州地方会
    • Place of Presentation
      福岡大学メディカルホール
    • Year and Date
      20120623-20120623
  • [Presentation] ビスフォスフォネート製剤を服用したターナー症候群患者に顎矯正手術を施行した 1 例2012

    • Author(s)
      古川 祥子,林田淳之將,豊嶋健史,新井伸作,八坂美沙,久保慶朗,北原享,白土雄司,髙橋一郎,中村 誠司
    • Organizer
      第 23 回 日本顎変形症学会総会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場
    • Year and Date
      20120618-20120619

URL: 

Published: 2014-07-24  

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