2011 Fiscal Year Research-status Report
サイトケラチンは口腔癌難治症例の新たな予後因子となりうるか?
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23792356
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊嶋 健史 九州大学, 大学病院, 助教 (20546569)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 白板症 / サイトケラチン |
Research Abstract |
本研究の目的は口腔扁平上皮癌(OSCC)と白板症におけるCK17とCK13の発現様式を検討し、OSCCの分化とCK17との関連を検索することである。105人のOSCC患者と108人の白板症患者において免疫組織学的にCK17とCK13の発現様式を検討した。臨床病理学的所見とCK発現との関連を検討した。また、5つのOSCC cell lines (HSC-2, HSC-3, SAS, SQUU-A, SQUU-B)におけるCK17 mRNAのover-expression levelsをreal-time RT PCRにて検索した。105例のOSCC症例についてCK17とCK13はそれぞれ101例(96.2%)および3例(2.9%)発現がみられた。CK17は中分化OSCCおよび低分化OSCCに比べて、高分化OSCCにおいて有意に発現していた(p < 0.01).。74例の異型を伴わない白板症症例では36例(48.6%)においてCK17の発現が認められたのに対して、34例の異型を伴う白板症症例では19例(55.9%)で認められ有意な差があった。74例の異型を伴わない白板症症例では52例(70.3%)においてCK13の発現が認められたのに対して、34例の異型を伴う白板症症例では11例(32.4%)で認められ有意な差があった。CK17 mRNAのrelative expressionは、HSC-3やSASに比べHSC-2において有意に増加していた(p < 0.05)。さらにCK17 mRNAのrelative expressionはSQUU-Bに比べSQUU-Aにおいて有意に増加していた(p < 0.05)。CK17の発現はOSCCの分化や悪性度に関連していた。CK13とのコンビネーションにより悪性転化の因子として機能する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の免疫組織学的検討により口腔扁平上皮癌におけるCK17の特異性およびCK13との組み合わせにより悪性転化の指標となることが示され、論文発表ができた(J Cancer Res Clin Oncol. 2012 Apr 3. [Epub ahead of print])。これによりin vitro の系にスムーズに移行できる。
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Strategy for Future Research Activity |
扁平上皮癌細胞株を用いてCKをノックダウンして分化、増殖能を検討する。OSCC患者から末梢血を経時的(術前、術中、術後、定期的な経過観察時)に採取し、末梢血中のCK陽性癌細胞とその分化度との関連を検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
集細胞装置(サイトスピン)真空密封型採血管(単核球分離用)、免疫組織化学的染色関連抗体、RT-PCR関連試薬、プライマー作製などを購入予定である。
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Research Products
(2 results)