2012 Fiscal Year Research-status Report
三次元ナノテクノロジーを応用した新規骨再生法の開発
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23792367
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
高後 友之 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30566211)
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Keywords | 骨再生 / 3次元足場材料 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
現在様々な医療分野において、細胞を用いた再生医療が応用されている。骨再生分野では、注入型培養骨という細胞を用いた新たな手法が試されているが、現法では骨欠損のサイズに限界があったため、サイズを厭わない、大きな欠損への骨再生の応用が不可欠であった。骨再生治療には細胞の他に、足場材料が重要な因子である。本研究では、骨再生療法に三次元ナノテクノロジーを応用し、新規足場材料を応用することにより、骨欠損への新たな治療法の開発を行い、臨床応用へむけて安全性の確立、再現性、有効性の裏付けを持った新規骨再生法を確立させることである。 本研究で自己修復不可能な大きな骨欠損を作成し、その欠損に対し、新規三次元新規足場材料を応用するという新たな方法での骨再生が可能であり、歯科用インプラント材料との骨結合も良好であることを証明した。さらに、より大きな骨欠損を作成し、その欠損に対して新規三次元新規足場材料を応用するという方法を行ったが、十分な骨再生をえることができず、現在の方法のままでは、より大きな骨欠損への応用は困難であることがわかった。その結果より、新規足場材料の強度的な改良が必要となったため、新規足場材料の新たな応用方法について検討を行うこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自己修復不可能な大きさの骨欠損に対して、新規3次元足場材料の応用で間葉系幹細胞を用いることにより骨再生を得ることができ、また、その骨に歯科用インプラント埋入が可能であることを証明したが、より大きな骨欠損に対して同様の方法での骨再生を試みるも、十分な骨再生は得られなかった。この結果から、再度足場材料、細胞密度等の検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新規3次元足場材料の応用で間葉系幹細胞を用いることにより骨再生は可能であったが、より大きな骨欠損に対する骨再生の方法として、足場材料の物性の問題の解決が必要である。足場材料の物性を上昇させるためには、新規3次元足場材料の濃度と細胞密度、骨再生方向の再検討をマウスで実験を行い、その結果をもとにイヌ等の大動物へ発展させていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度までの大きな骨欠損への応用実験において、パイロットスタディから大きな骨欠損への応用が困難と判断したため、実験系の見直しを行い、大きな骨欠損モデル作成のための追加実験が不必要となったため、今年度への予算の繰り越しが行われた。 大きな骨欠損への応用については、再度材料の応用からの検討が必要であり、細胞培養、材料応用費、また、今回の再応用の結果の学会発表、論文投稿等の費用が必要となる。
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