2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔がんに対するMICA遺伝子に関連した新規ペプチドワクチンの同定
Project/Area Number |
23792371
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
玉置 盛浩 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (90382316)
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Keywords | 口腔がん / MICA遺伝子 |
Research Abstract |
各種癌においてさまざまな新規がんペプチドワクチンが開発されており、その中でも進行がん患者に対するHLA class I 拘束性ペプチドワクチンの有用性が報告されている。本研究は口腔がんに対してHLA遺伝子と強く相関しているMICA遺伝子に関連した新規がんペプチドワクチンの開発を目的としている。本研究は以下の4項目を遂行することを目的としている。1:同意を得た口腔がん患者または健常者から静脈血を採取してDNAを抽出する。2:抽出したDNAから全HLA領域における1塩基多型解析を行い、口腔がん遺伝子変異を検索する。3:マイクロサテライトマーカーを用いてMICA遺伝子多型解析を行う。4:血清成分中のMICAタンパクの測定をELISA法で行い、フローサイトメトリー法で各種抗体の測定を行い、MICA遺伝子多型に関連したペプチドの同定を行う。研究成果としては、口腔がん患者から採血を行いMICA遺伝子の膜貫通領域をコードするexon5のマイクロサテライト領域の多型解析を行った。さらに血清中のMICAタンパク濃度の測定を行い検討したところ、口腔がん患者においてMICAタンパクの濃度が上昇傾向にあった。また、最終年度に血清中のMICAタンパクに対してCD4/CD8などの各種抗体の発現量の解析を行い、遺伝子多型に関連したペプチド合成を試みたが、MICAタンパクが微量であるため有用な結果を得られなかった。今後の展開としては、引き続きMICA遺伝子多型に関連したペプチド合成を行う。さらにMICAと強く関与し、がん細胞排除免疫に重要な役割を果たしているγδT細胞とMICAタンパク発現量に関して検討を行う予定である。
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